[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

「バスケを知る」が世界への第一歩 “後進国”日本が学ぶべき、欧州名門の育成論

バスケットボールを「知る」ことは、強化にどう繋がるのか

 今回のW杯では、八村を中心とした攻撃が最大の強みだった。日本のエースは随所に存在感を発揮。得点源となったが、徹底マークに遭った時には他の選手が活躍しきれなかった。今の日本チームでNBAドラフトで1巡目指名される選手がいるなら、頼りにするのは当然のこと。ただし、これは「日本ならではの戦える部分」ではなかったのだろう。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 レアルマドリード財団のバスケ教室では、指導者が選手に課題の解決策を考えさせることの大切さ、選手のレベルに応じた練習法、子供の遊び心の引き出し方などを教えていた。ジージャ氏は国全体のレベルを上げるために、まずはバスケットボールをよく知ることが欠かせないという。

「スキルについてはどうやって準備して、計画して、どうやって子供に教えて、どうやってトレーニングをするか、どうやってコミュニティーに貢献できるかということを考えたメソッドです。(指導を)細かく分類すると、スキル向上の面と知覚的な面がある。知覚的な面は、バスケットボールを見る力をどうやって一緒に伸ばせるか。それをメソッドを使って教えます。

 スキルだけでなく、私たちはもっと深く考えている。スキルと、どうやってバスケットボールを知るかというのを一緒に合わせながら、教育的な面でも教えているのが私たちのメソッドです」

 世界に比べ、日本はバスケットボールを“知っている”とは言い難いのかもしれない。だからこそ、日本は世界的にも実績のあるフリオ・ラマス氏を監督に招聘した。母国・アルゼンチンを2012年ロンドン五輪で4位に導いた名将。2017年7月の就任から少しずつ知識と経験を日本に植え付け、浸透させつつある。A代表以外の指導者たちは、これを自らのチームに少しでも落とし込み、競技をよく知ろうとするのもできることの一つだろう。

 バスケットボールを「知る」ことは、強化にどう繋がり、試合に役立つのか。ジージャ氏は続けた。

「プレーヤーがプレー中にどういう決断をするか。判断力や、あとはメンタル面。心理的な部分を鍛えることになる。ゲームによって使うスキルは違うし、ゲームはどんどん変わっていくもの。だから、自分たちで判断する力をつける。どうやってバスケットボールを見るか、どうやって自分たちが抱えている問題を見るか、その力を身につけさせることに重点を置いています」

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集