テニス界で表面化した選手への心ない非難 現役選手が明かす過酷な「実情」
明確な対策がない現状…選手が目の前の戦いに集中できる環境の整備が必要
SNSの閉鎖も対策法のひとつだが、そう簡単に踏み切れない事情もあると綿貫は話す。
「どの選手にも契約メーカーが存在し、PRなどのメリットもあります。閉鎖には経済的、そしてブランディング的にもリスクはあるのです。専属のPR担当が付くトッププレーヤーはメディア担当が迅速に対応しますが、それができるのはツアーでほんの一握りではないのでしょうか。現在のテニス界では、誰もが対応しなければいけない問題なのです」
男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は、選手を守るためどのような対策を講じているのだろうか。
「現時点では対策はされていません。アグート選手の発言はスペインの新聞でも取り上げられていましたが、これがきっかけで何かが動けばいいかもしれません。このようなことは今後なくなってもらいたいです」
正々堂々と戦った先に、「勝利」と「敗北」の結末が待っているのが勝負の世界の常。選手が目の前の戦いに集中できる環境を整える必要があるだろう。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer