「僕だって怖いさ」 NBA希代のクラッチプレーヤーが明かす「本音」と「信条」
天性の勝負師…「僕は世界で最も負けず嫌いな人間の1人だと思う」
そして、アービングを語るうえで欠かせないのが、勝敗の懸かったシュートを沈めるクラッチプレーである。
初優勝を飾った2015-16シーズンのNBAファイナル第7戦、89-89で迎えた残り53秒の場面で相手エースのステフィン・カリーの上から決勝の3点シュートを成功させたのは記憶に新しい。あまりの強心臓ぶりは、プレッシャーとは無縁なのではないか、と感じるほどだが、「失敗は怖くないのですか?」という質問には意外な本音が返ってきた。
「そりゃ、僕だってやっぱり怖いさ」
少なからずプレッシャーは感じているようだが、アービング曰く「プレッシャーの中で戦うのは、バスケットボールだけではなく、世の中に生きていれば必ず直面すること」。コート上では相手を打ちのめしてやりたいという信条が勝るのだという。
「勝負を決めるショットを打つのは負担のあることではある。でも、子供の頃からそういう役割を担ってきたし、“賭け”が好きなんだ。たとえ成功しても、失敗したとしても、良い選手なら1対1に持って行かないと。僕は世界で最も負けず嫌いな人間の1人だと思う」
ベストプレーヤーになるために――。自分自身を信じ、どこまでも理想を追い求めてチャレンジを続けるアービングの姿は、多くのバスケットボールファンの「光」になるはずだ。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer