トビウオに足りないものは「絶対にブレない」信念 平井HCが求める北島康介の戦う姿
国内大会の甘さを指摘「予選のレベルが低い」
平井HCの見立てでは、日本選手権は予選からレベルが高いとは言い切れない。多くの種目で準決勝、決勝に駒を進める選手の顔ぶれが“予想通り”となる。しかし、今大会のような世界レベルになれば、予選から決勝まで3レースともベストに近いタイムを出す海外勢が目立つ。
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「強い奴はタフ。準決勝があるからといって予選のレベルが低く始まって。日本選手権の午前のレースが重苦しい雰囲気で『これ大丈夫かな』とかあるでしょ? 世界選手権などでは、ちょっと気を緩めたら落ちるわけで、やっぱり国内競争力を高めていかないと。日本で準決勝を導入しても、『どうせ決勝に残るメンバーが決まっているんだから』となってしまうから、やっぱり層を厚くしないといけないし、考えていかないとなって思いました。
有効な予選と準決勝の使い方。古い話をして申し訳ないけど、北島康介とか中村礼子とか、五輪の決勝に残るラインで日本選手権も予選から行く。そうじゃないと日本選手権で予選から楽をしていると、こっち(世界水泳)で急に頑張らないといけない。どちらかというと、国際大会で楽ができるように国内で頑張っていたけど、そういうことが必要」
他の国の選手が朝の予選から頑張るのはそういう意図があるのかわからないけど、日本選手権は夜決勝の選考会。だけど、3本頑張るとか、朝のレースに記録を出せるとか、そういう取り組み方が必要。朝練習をメーンにするとかそういうことが必要ですね」
東京五輪は午前決勝。どの時間にベストを出せるか、今のうちから熟慮して行動に移さなければ間に合わない。
「東京五輪で来年に向けてと言いますけど、来年で日本の水泳が終わるわけではない。若手の強化を考えると、常に努力していくけど、なかなか追いついていない。その危機感はあります」
どこに基準を置き、その達成度合いに満足するかどうかは選手それぞれ。だが、日本代表を率いる平井HCは、世界で勝つための方策を常に考えている。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)