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メジャーしか知らなかった米国人が世界の野球にハマるまで WBCが秘める可能性「僕らにとってのW杯」

東京ドームで侍ジャパンを盛り立てた応援団【写真:ロイター】
東京ドームで侍ジャパンを盛り立てた応援団【写真:ロイター】

驚いた応援文化の違い「野球を通じて日本の文化を体験」

 他国のリーグを見るようになって何より驚いたのは応援文化の違いだ。「日本のファンは選手全員に応援歌がありますし、韓国や台湾もそうです。米国やドミニカ共和国、ベネズエラとは全く違う形で、独自の文化を野球に注ぎ込んでいます。野球を通じて日本の文化に目を開かされたような体験でした」。WBCは異なるカルチャーを一気に体感できるまたとない機会だ。

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「野球の未来は国際化にあると信じています。NPB、KBO、CPBL、メキシコ、もちろんMLBも……。それぞれが成長し続ける中で、インターネットの発達により世界中のリーグを追いやすくなりました。以前はイチローやヒデオ・ノモぐらいしか外の世界を知らなかったかもしれませんが、今では真夜中に行われている試合のハイライトや選手の情報をSNSなどで簡単にチェックできます。

 世界中でリーグが成長し、野球のレベルが上がり、その全てが集大成として一つの頂点を迎える瞬間がWBCなんです。WBCは全ての国で野球を成長させる助けになると思います」

 国際野球に関心を持ち始めてから好きになったチームはあるか。そう尋ねると、スプラドリング氏は「ちょっと考えさせてください」と熟考してから、「興味を惹かれるチームは大きく2つに分かれます」と切り出した。

「まずはMLB以外で世界最高のリーグである日本。侍ジャパンは見ていて最も楽しいチームの1つです。非常に緻密で、ミスをせず、堅実。敬意に溢れた立派なプレースタイルでありながら、非常に楽しい。ファンが熱狂的に応援する姿も素晴らしいですね。一方で、韓国もド派手なバットフリップなどの華やかさがあって大好きです。東アジアの2大リーグが異なるスタイルを持っているのは面白いです。

 そして、もう1つがブラジルやチェコのようなチームです。野球の歴史はそこまで深くないかもしれませんが、純粋に野球を愛しているからという理由でプレーしています。ブラジルは日系移民の影響を受けた『日本の野球の細部へのこだわりや技術』と『カリブ海の華やかなスタイルや文化』がミックスされているのでとても魅力的です。とてつもないポテンシャルがあると思っています」

 強豪国だけでなく、様々な文化が交わることで新たな化学反応が生まれる。ブライス・ハーパー内野手やカイル・シュワーバー外野手ら米国代表の選手も、異なるスタイルや文化を持つ国々の選手と対戦する喜びを口にしていた。海を越え、各地で独自の進化を遂げてきたベースボール。1つの国しか見ないのはもったいない。

◇ ◇ ◇

 第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)はベネズエラの初優勝で幕を閉じた。2006年に第1回が行われてから20年、過去3回優勝した日本の強さが世界に認められる一方、国際大会を通じて世界の野球の距離は着実に縮まってきている。「THE ANSWER」では大会期間中「ベースボールの現在地」と題し、選手やスタッフが“国際野球”に挑む思いを伝える。他の種目と競技人口を比較すれば、マイナーと言われることもある野球。ただ世界中に、このゲームを愛する人がいる。注目される数年に一度の機会だからこそ、世界の野球の今を知り、ともに未来を考えるきっかけを作る。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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