メジャーしか知らなかった米国人が世界の野球にハマるまで WBCが秘める可能性「僕らにとってのW杯」
「THE ANSWER」では、ベネズエラの優勝で幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に合わせて参加各国の野球を紹介する連載「ベースボールの現在地」を展開してきた。国際大会は普段自国のリーグしか見ない人たちに新たな発見をもたらすチャンス。「米国以外の野球は何も知りませんでした」という米国人が、WBC出場全チームを扱うコンテンツクリエーターに転身した理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)

連載「ベースボールの現在地」 WBC出場全チームを扱う米国のコンテンツクリエーター
「THE ANSWER」では、ベネズエラの優勝で幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に合わせて参加各国の野球を紹介する連載「ベースボールの現在地」を展開してきた。国際大会は普段自国のリーグしか見ない人たちに新たな発見をもたらすチャンス。「米国以外の野球は何も知りませんでした」という米国人が、WBC出場全チームを扱うコンテンツクリエーターに転身した理由を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)
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どの国の取材エリアに行っても、必ずその男はいた。ショーン・スプラドリング氏、29歳。2023年の前回大会からWBCに関する情報を発信している米テキサス州在住のコンテンツクリエーターだ。「人々を繋げるために。各国の歴史や文化、背景を少しでも共有するために」。そんな思いで出場20か国全てのロースターや歴代成績、人口や主要言語などをまとめたインフォグラフィックを作成した。
「WBCの情報を英語で網羅している人がいなかったんです。侍ジャパンを取り扱う日本のメディアはいますし、ドミニカ代表を取り上げるドミニカ共和国のメディアもいます。でも、20か国全てを英語でカバーする人はいなかった。そこでスポーツマネジメントとビジネスの学位を持っていた私は、大会向けのコンテンツ作りを始めたんです」
SNSを中心に繋がった各国の野球好きの助けを借りつつ、収集した世界の野球情報を積極的に英語で発信。2022年に500人ほどだったX(旧ツイッター)のフォロワー数は、2023年大会が始まる前には1万人にまで爆増した。米メディア関係者の目にも留まり、メディアパスも取得。2大会連続で現地で取材活動をしている。フォロワー数は2万7000人を超える規模に成長した。
普段はバットなどのスポーツ用品を扱うブランド「Warstic」で勤務。選手とのやり取りや、SNS運用を行っている。WBCのコンテンツクリエーターとして活動を始めたきっかけは、2018年のFIFAワールドカップ(W杯)にあった。
「妻がブラジル出身なんです。2018年、当時はまだ彼女だった妻の家族に会いにブラジルに行った時、ちょうどロシアでW杯が行われていました。1か月間も国全体が機能をストップさせて、W杯に見入っていたんです。自分の国を全力で応援し、他国の文化にも触れる。そんな光景を見るのは最高にクールな経験でした。そこで国際スポーツの魅力にすっかりハマってしまったんです」
幼少期からずっと野球をやってきたスプラドリング氏は帰国後、「WBCが僕らにとってのW杯じゃないか」と考え始めた。ただ、当時は「米国以外の野球は何も知りませんでした」。国内にMLBという世界最高峰のリーグがある中、無理もないことだ。そんな中で世界の野球に目を向けた要因はもう一つあった。新型コロナウイルスが蔓延した2020年、MLBの開幕が遅れ、短縮シーズンになったことだ。
「コロナ禍でMLBが中断した時に、多くの(米国の)ファンが他にどんな野球があるのか知り始めたと思います。私も2018年ぐらいには日本のNPBや韓国KBO、台湾のCPBLなどについて少しは知っていましたが、本格的に追い始めたのは2020年や2021年からです」
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