パワー偏重時代…チェコが示した野球の面白さ 満員の東京Dを魅了、コーチが指摘した日本との“共通点”
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCは10日、東京ドームで幕を閉じた。日本が1位、韓国が2位で準々決勝に進出したが、4敗で最下位に終わったチェコもそれに負けない話題を提供した。10日の日本戦では日本に0-9で敗れたものの、7回までは0-0の緊迫した展開。先発のオンジェイ・サトリア投手は4回2/3を3奪三振6安打無失点と好投した。正々堂々、さわやかな戦いぶりに、4万2340人のファンからは惜しみない拍手が送られた。なぜチェコの野球が、これほど日本のファンをひきつけるのか。関係者の言葉で考えた。

WBC1次ラウンド・プールC、最終戦はサトリアの快投一色に
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCは10日、東京ドームで幕を閉じた。日本が1位、韓国が2位で準々決勝に進出したが、4敗で最下位に終わったチェコもそれに負けない話題を提供した。10日の日本戦では日本に0-9で敗れたものの、7回までは0-0の緊迫した展開。先発のオンジェイ・サトリア投手は4回2/3を3奪三振6安打無失点と好投した。正々堂々、さわやかな戦いぶりに、4万2340人のファンからは惜しみない拍手が送られた。なぜチェコの野球が、これほど日本のファンをひきつけるのか。関係者の言葉で考えた。
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大観衆の目線を独り占めしたのは、小柄なひげ面のチェコ人だった。試合は8回に9点を奪った日本の圧勝に終わったが、この日の主役は別にいた。2023年のWBCでは大谷翔平投手(ドジャース)から三振を奪い話題となったサトリアが、侍ジャパンを相手に快投を演じたのだ。直球はせいぜい120キロ台後半。ただ大きく変化するチェンジアップとカーブを交えて日本打線を翻弄した。球速ばかりが注目される時代に、野球の面白さ、奥深さを見せつけた。
再戦を熱望していた大谷は欠場したものの、村上宗隆(ホワイトソックス)を2打数無安打に抑え、岡本和真(ブルージェイズ)からは三振を奪った。5回2死二塁で球数制限の65球を超え降板すると、スタンドは総立ち。割れんばかりの拍手が送られ、涙を流すファンもいた。サトリアは場内の光景を目に焼き付けるように、後ろ歩きで、グラウンドに目をやったままでベンチへ下がり、仲間一人一人とハグを交わした。
これをもってチェコ代表から引退するサトリアは、試合後記者会見に招かれた。敗戦チームの選手が呼ばれるのは異例だ。会場に集まった報道陣に「まず、ここに来てくださって本当にありがとうございます。正直、このようなことになるとは全く予想していませんでした」と感謝。さらに「自分の『ラストダンス』として、この大会で、そして自分自身のパフォーマンスでチェコ野球に貢献し続けることができ、本当に幸せに感じています」としみじみ喜びを口にした。
降板を告げられたマウンドで、腰を90度に折ったパベル・ハジム監督に「投げてくれてありがとう。君のピッチングを見られて光栄だった」と告げられた。万雷の拍手の中でマウンドを去るのは、今のチェコ球界では望めない環境だ。スタンドには父も弟もいた。「私が望める中では最高のエンディングでした」。心からの言葉だった。
サトリアは2015年、大阪で行われたU-18ワールドカップでも、チェコ代表の一員として日本を訪れている。約9000キロの彼方にある国との縁が、ここまで大きくなった。今では、NPBの動画をチェックするのは日課。ユニホームを交換したこともある、宮城大弥投手(オリックス)がお気に入りだ。この試合では、その宮城と同じマウンドでも投げた。サトリアは言う。
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