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WBC8強でもメディアが来ない “マイナー”な豪州野球の現実「高い給料がもらえるわけでも…」秘めた情熱とは

豪州広報のエリック・バルナー氏【写真:編集部】
豪州広報のエリック・バルナー氏【写真:編集部】

豪州野球の魅力「富や名声のためにプレーしてるんじゃない」

 豪州野球の発展のために尽力するバルナー氏は実はカナダ出身。トロント近郊で生まれ育った大のブルージェイズファンだ。2014年、当時の彼女に付き添い豪州へ移住。「女の子のために来て、野球のために残っているんです」。アデレード・ジャイアンツの球団職員となり、中継の実況やライター業、運営からGM業まで幅広い仕事をこなしてきた。いまや豪州の国籍も取得している。

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 3年前のWBCから代表チームにも携わり、初来日を果たした。そこで日本の野球ファンの熱量に感銘を受け、翻訳機を使って日本語でも積極的に発信するように。着実に豪州野球のファンを増やしてきた。一人何役もこなす情熱の源泉は――。

「世界にもっと豪州野球を知らしめたい。豪州のメディアや国民に、もっと我々にワクワクしてもらいたいんです。なぜなら、豪州の選手たちは世界でも最高級のアスリートだから。彼らは富や名声のためじゃなく、野球が大好きだからプレーしているんです。ABLの観客は800人。5万人の前でやることはありませんし、高い給料がもらえるわけでもありません。

 それでも、もともとただの芝生の広場だった野球場に朝早くから来て、汗を流すんです。東京ドームで韓国のような強豪チームに勝てるレベルでいるために、彼らは本当に懸命な努力を重ねています。それができるのは、彼らがこの競技を心から愛しているからに他なりません。私の目標は、彼らがとてつもないアスリートであることを豪州のメディアにも認識してもらうことです」

 2004年のアテネ五輪では、予選と準決勝で日本を2度破り、銀メダルを獲得した。「五輪は豪州で最も人気のある大会です。競技者が多くない冬季五輪でも、数多くの人が視聴します。主流のメディアが取り扱い、簡単に目に留まる重要な大会。だから我々は2032年ブリスベン五輪で野球とソフトボールを採用してもらえるよう、懸命に努力しています」。愛する野球への情熱は尽きない。

◇ ◇ ◇

 3月5日に第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕する。2006年に第1回が行われてから20年、過去3回優勝した日本の強さが世界に認められる一方、国際大会を通じて世界の野球の距離は着実に縮まってきている。「THE ANSWER」では大会期間中「ベースボールの現在地」と題し、選手やスタッフが“国際野球”に挑む思いを伝える。他の種目と競技人口を比較すればマイナーと言われることもある野球。ただ世界中に、このゲームを愛する人がいる。注目される数年に一度の機会だからこそ、世界の野球の今を知り、ともに未来を考えるきっかけを作る。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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