17歳中井亜美の「0.5秒」に凄み 65の質問、涙しても…揺れぬ“間” あざとさに目を奪われると見落とす資質
感動と熱狂を呼んだミラノ・コルティナ五輪。帰国後、多くのメダリストがテレビに出演し、競技中とは異なる素顔をのぞかせている。そんな中で、ある“違和感”が強く印象に残った。フィギュアスケート女子シングルで銅メダルを獲得した17歳・中井亜美の「間」だ。

テレビ生出演 32分で65問すべてに“0.5秒の間”で即答
感動と熱狂を呼んだミラノ・コルティナ五輪。帰国後、多くのメダリストがテレビに出演し、競技中とは異なる素顔をのぞかせている。そんな中で、ある“違和感”が強く印象に残った。フィギュアスケート女子シングルで銅メダルを獲得した17歳・中井亜美の「間」だ。
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26日、中井は日本テレビ系の2つの情報番組に生出演した。気づいたのは、問いを受けてから口を開くまでが極端に短いこと。
体感では一拍も置かず、会話に空白がない。およそ0.3~0.5秒。筆者は甲子園やインターハイなどで高校生年代のアスリートを数多く取材してきたが、記憶にないレベルだ。速いというより迷いがない。NiziUのMIIHIからサプライズの直筆メッセージに涙したことが話題になった「DayDay.」で実際に計測すると、よく分かる。32分間の出演で65の質問を受け、中井はほぼすべてに“0.5秒の間”で即答した。
多くは「そうですね」と柔らかく受け、流れるように言葉をつなぐ。「えーと」「うーん」という思考の継ぎ目も少なく、フィギュアスケートで言う「トランジション(要素のつなぎ)」なら文句なしに加点を引き出せる。質問も好きな寿司のネタから緊張しない秘訣まで幅広いが、涙したMIIHIのメッセージの感想を問われた時すら0.5秒で返し、テレビの前で思わず唸った。
もちろん、ある程度の質問共有は事前にあっただろう。それでも、テレビのスタジオ生出演はこの日が人生初。しかも五輪メダリストとして注目される立場だ。オリンピックの最終滑走後に「全然緊張しなかった。こんな経験なかなかできないので、楽しもうと思った」と言ってのける強心臓ぶり。その資質は、リンクからスタジオに変わっても、少しも揺らがなかった。
フィギュアスケートは常に表現を求められる競技だ。団体スポーツに比べ、指導者と1対1の対話が基本で、技術も感情も言語化して共有する機会が多い。中井は練習ノートを毎日つけ、言葉にする習慣が染みついているのだろう。
フィギュア界には、トップ選手の条件として「頭の回転の速さ」を挙げる人がいる。冒頭で転倒などミスがあれば、演技を即座に再構成し、どの技を組み換え、どこで加点を取り返すか、滑りながら判断する。その処理速度がなければ、第一線で戦えない。すでに国際舞台で活躍している高校2年生には、そうした思考スピードが自然と備わっている。
豪快なトリプルアクセルと愛くるしいキャラクターで、一躍フィギュア界のヒロインとなった中井。その魅力を「あざとさ」という言葉で片付けるのは簡単だ。だが、目を奪われた先にこそ本質がある。17歳が作り出す“0.5秒の間”には、トップアスリートの凄みが凝縮されていた。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)
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