「今はご飯を食べることが怖くない」 体脂肪率に縛られ招いたケガ、30歳で辿り着いた1つの答え――バスケットボール・林咲希
バスケットボール日本代表として、東京大会とパリ大会で五輪連続出場を果たした林咲希(富士通レッドウェーブ)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じた。体脂肪率を気にして極端な食事制限をしていた過去もあったが、現在は正しいエネルギー補給を身に着け、「ご飯を食べることが怖くない」状態になっているという。自分に必要な食事・栄養を知り、パフォーマンスやケガの予防につなげる重要性などについて語った。(取材・文=長島 恭子)

バスケットボール・林咲希インタビュー
バスケットボール日本代表として、東京大会とパリ大会で五輪連続出場を果たした林咲希(富士通レッドウェーブ)が、「THE ANSWER」のインタビューに応じた。体脂肪率を気にして極端な食事制限をしていた過去もあったが、現在は正しいエネルギー補給を身に着け、「ご飯を食べることが怖くない」状態になっているという。自分に必要な食事・栄養を知り、パフォーマンスやケガの予防につなげる重要性などについて語った。(取材・文=長島 恭子)
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「30歳を超えてから、体の変化を感じる」。そう話すのはバスケットボール女子日本代表の林咲希。3月に31歳を迎える。
「プレーの面で言うと、20代の頃のような爆発力が出なくなりました。まったく出ないわけではありませんが、その(爆発力の)波が時々になった、という感じ。今後は練習やトレーニングはもちろん、食事やオフの過ごし方がより重要になると考えます。
『動けなくなっている』と感じれば、メンタルにも(影響が)くる。自分に起こる変化に執着せず、バスケに取り組むこと。そして、チームにいい影響を与えられるよう、ポジティブな考えを持ってプレーをすること。それが今年の一番の目標です」
ENEOSサンフラワーズからレッドウェーブに移籍して3シーズン目。前シーズンはケガに苦しんだ。リハビリに励むなか「30歳を迎える前に、食事からきちんと取り組みたい」と個人的に公認スポーツ栄養士と契約。この1年間、体の変化をつぶさに見ながら取り組んでいる。
「栄養士の方とは、血液検査の数値も確認しながら、自分には何が足りないのか、どんなものを食べればよいのかを、一緒に考え、取り組んでいます。コンディションを体の内面(数値)で見るのは初めての経験。自分に足りないものが明確になり、発見もすごく多い」
林は以前、体脂肪率を気にするあまり、ご飯(米)の量を極端に制限していた時期があった。大学卒業後、JXサンフラワーズ(現ENEOS)に入団するも、厳しい練習とチームの環境に慣れることに精いっぱい。なかなかプレータイムを勝ち取れない現実に、「入団から4年間はメンタル面の上下が結構あった」という。
厳しいポジション争いに対するストレスが、食事にも影響した。当時、チームは月1回のペースで体脂肪率を測定。コンディショニングのためのルーティンが悪い方向に働き、いつの間にか、体脂肪率の数値に縛られるようになっていった。
「私はもともと、動きの良し悪しでベスト体重か否かを判断できるタイプ。ところが、この頃から体重や体脂肪の数値ばかり気にするようになりました。糖質制限が流行していた影響もあり、『ご飯を食べなければ体脂肪は減っていく』と考え、ごはんやおかずの量を『減らして、減らして』という方向に突き進んでしまった」
さらに2021年、東京五輪後に足部を疲労骨折。「試合に出ていない自分が、果たして試合に出ている人たちよりも食べていいのだろうか?」。リハビリの期間からその疑問が頭から離れず、一食、120グラムのご飯とおかず1品、みそ汁、果物のみという食事が続いた。
そんな時、知人に紹介された栄養士から、「運動量に対し、食事の量がまったく足りていない」と指摘される。「自分は食べる量も栄養も足りていなかったのか」。その時初めて、少ない食事量を自覚することができた。
「エネルギー不足は疲労骨折の要因になること、栄養バランスを整えるためにはもっと食べる必要があると知りました。自分には継続的な食事のサポートが必要だと感じ、その栄養士の方から、個人的にサポートを受けることを決めました」
食事量を増やす怖さを完全には拭えなかったが、まずは専門家のアドバイスに従うことを決めた。栄養士のサポートを受けながら、約半年~1年かけてご飯の量を120グラムから200グラムまで増やすことができた。
「私は、しっかり食べている時のほうが体が強く、エネルギーも出ると感じている。当時は自分の感覚よりも体脂肪率を気にし始めたことで、『食べないほうがパフォーマンスがいい』と考えるようになり、結果、ケガにもつながったと感じています」
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