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「一つこければ振り出し」 女子サッカー草創期のエース、切り拓いた道と拭えぬ“怖さ”

2011年になでしこジャパンがW杯優勝の快挙も「うれしさ半分、怖さ半分」

 2011年のドイツ女子W杯で、なでしこジャパンの愛称で親しまれるようになった日本女子代表が世界制覇を果たしたことにより、女子サッカーへの注目度は急騰し、競技人口も増加した。しかし草創期を知る野田は、この快挙も「うれしさ半分、怖さ半分」と語っていた。

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 国民的な関心事となっている男子代表が惨敗すれば、途端にメディアもファンも酷評し、監督の責任問題へと飛び火する。だが女子は、まだW杯や五輪を除けば大きな注目を集めることがない。さすがに一つこけても振り出しまでは戻らないかもしれない。だが歴史を切り拓いた先駆者は、現状を安泰だとは見ていない。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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