退団続々…2軍球団の選手が突き付けられる現実 ドラフト歓喜の裏で「好きなまま」指揮官の親心
応援の輪は自分たちで大きく「嫌な言葉とかほとんどなかった」
「このチームでやれて楽しかったな。なんか子どもたちに野球教えてみたいな、と思ってもらえればと思っています。だから野球をやめる時にも、嫌いでいてほしくはないんです。好きなままやめさせてあげるのも仕事かなと」
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自身が、社会人野球のシダックスで27歳までドラフト指名を待った身だ。選手が「野球をやめるべきなのだろうか?」と考える心境は手に取るようにわかる。そして、チームや選手がいつも楽しげに見えるようになると、もう一つの“効果”があるという。
「そうしていると、ダメな時にも応援してくれる人が増えるんですよ。成績が悪くてもね。僕がそう気づいたのは日本ハム時代ですけど、これが一番助かった。いいときに応援してくれるのは当たり前かもしれませんけど、ダメな時でも嫌な言葉が飛んでくるとかほとんどなかったので」
今季のチーム成績は47勝73敗1分け。勝率.392で8球団中7位と順位を1つ上げ、借金を昨季の38から12個減らした。8月には10連敗もあったがしぶとくよみがえった。コーチから「もう、打つ手がありません」という話が上がってきた時、原点に帰ろうと思った。自分で打順を組むことにした。
「遠征先の仙台に移動しているときに考えたんですけど、とにかく多くの選手を使う方向に変えましたね。みんなが戦力。勝っても負けてもみんなが必要と伝える方向に」
みんなで戦い、みんなで楽しむという色がファンにも浸透したのか、昨季は7万9825人だったホームゲームの観客動員数が、2万人以上増加し10万3701人となった。リーグでは巨人に次ぐ2位の数字だ。「何か2年目の成長を見せたかった」という武田監督。試みはグラウンドの内外で、少しずつ実を結びつつある。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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