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退団続々…2軍球団の選手が突き付けられる現実 ドラフト歓喜の裏で「好きなまま」指揮官の親心

プロ野球のイースタン・リーグに参加するオイシックスからは、10月のドラフト会議で、3人がNPB球団の指名を受けた。次の目標に進むためにこの球団のユニホームを脱ぐ選手がいる一方で、プロ野球への夢をあきらめて現役を退く選手もいる。2軍球団や独立リーグには、野球をあきらめる場という現実もある。オイシックスの武田勝監督は、その時を迎える選手に対して、心がけていることがあるという。

選手のその後まで考えた雰囲気作りをしている武田監督(右から2人目)【写真:羽鳥慶太】
選手のその後まで考えた雰囲気作りをしている武田監督(右から2人目)【写真:羽鳥慶太】

オイシックス武田勝監督、グラウンドでかぶり物の深い理由

 プロ野球のイースタン・リーグに参加するオイシックスからは、10月のドラフト会議で、3人がNPB球団の指名を受けた。次の目標に進むためにこの球団のユニホームを脱ぐ選手がいる一方で、プロ野球への夢をあきらめて現役を退く選手もいる。2軍球団や独立リーグには、野球をあきらめる場という現実もある。オイシックスの武田勝監督は、その時を迎える選手に対して、心がけていることがあるという。

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 武田監督のスタイルは独特だ。様々なかぶり物をして練習に登場したり、その姿でテレビなどのメディア露出もする。お立ち台にもクスッと笑える姿で乱入し、ついには「なんか色々なものをもらえるようになってしまって……」とファンから“ネタ”が提供されるまでになった。

 球団経営を安定させるため、少しでも認知度を高めたいという狙いがまずある。「このチームを知ってもらうために、なんかふざけた監督いるなとか、楽しそうだなとか、オイシックスって、勝っても負けても常に楽しそうだなとか感じてもらえれば大成功」と言う一方で、この空気はチーム内へのメッセージでもあるという。

「選手をやめても、野球を好きでいてもらいたいから。将来、指導者だったり野球に携わる仕事に就くかもしれない。そうなった時の心の準備をさせてあげるのも、僕らの仕事なので」

 2軍球団は、夢をあきらめる場所でもある。今年10月のドラフトでオイシックスからは、能登嵩都投手が阪神の5位指名、牧野憲伸投手が中日の育成1位指名、知念大成外野手が巨人の育成5位指名を受け、NPBへ羽ばたいた。一方では主力を含めた他の選手も、続々とユニホームを脱いでいる。25歳を超えると、ドラフト指名の確率はガクッと下がる。夢と現実のはざまで、生きていくためにどうすべきかを突きつけられるのだ。

 武田監督のチーム作りは、その日を前向きに迎えてほしいからでもある。オイシックスでは、監督の言動に笑いが起こる。ここでもがいた日々を、いい記憶にしてもらいたいからだ。

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