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「○○2世」報道の善し悪し 「佑ちゃん2世」と「由伸2世」と呼ばれた男たちの本音

内田は甲子園出場した早実時代に「佑ちゃん2世」と呼ばれた【写真:本人提供】
内田は甲子園出場した早実時代に「佑ちゃん2世」と呼ばれた【写真:本人提供】

アマ選手は発信される情報とどう向き合うべき?

――注目されるアマチュア選手側が世の中に発信される情報とどう向き合っていくべきと思うか。

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谷田「自分の能力を引き上げようと思って頑張れることはある。自分は重圧に感じることはなかったけど、それで知って応援してくれる人も増え、頑張ろうという気持ちにはなる。いい時も悪い時もいろんなことを言われるけど、すべての人が経験できるものじゃない。当時はそこまで思えなかったけど、今となってはいい経験。自分は高校生であってもスポーツ選手と思っている。そうである以上、いろんな人の注目され、影響を与えたり、凄いなと思われたりするだけでも意味があると思う。スポーツ選手冥利に尽きるし、そう思うべきかなと最近は思う」

内田「そう考えると『由伸2世』は凄かったね。『由伸2世といえば』という存在にまでなっていた」

谷田「『由伸2世』界では長く使われたね(笑)。アマチュア時代が長かったのはあるけど、去年プロに行けていたら変わっていたかもしれない。裏を返せば『由伸2世』と使った方が見てもらえる期間が長かったということ。『谷田って誰? 由伸2世、ああアイツか』という存在だった。ただ、もっと芯のある記者の方が増えてほしいなと思うこともあった」

内田「何か記者の方との思い出ある?」

谷田「大学時代、シーズン前に『ホームランを何本打つか?』と聞かれて『しっかりと自分の実力を出して結果がついてくればいい、何本とかは目標に決めてないです』という話をしたら『6本打ったら新記録だけど、打ちたいと思わない?』と言われ、『それは数多く打てればいいとは思いますけど……』という話をしたら『谷田、新記録6本狙う』という見出しにされてしまい……」

内田「それはもう、そう書きたかったということだよね」

谷田「最終的にそれは答えてないから、誘導と決めつけだった。同じような思いをしている子もいると思う。あとはドラフト前だけ名前を使われること。記者の方とも『会ったかな、この1年間』という感じでドラフトで落ちたことだけ記事にされた。もちろん、スポーツ選手は報道してもらってこそだし、伝える側にいろんな事情があることは理解しているけど、アマチュア選手であっても、記者の方もその子を使ってお金をもらっているという感覚で取材することが、お互いのためになるんじゃないかと思う」

(25日掲載の最終回に続く)

◇内田 聖人(うちだ・きよひと)

 1994年3月1日、静岡・伊東市生まれ。25歳。伊東シニアで日本一を経験。早実高2年夏に甲子園出場し、背番号1を着けた3年夏は西東京大会で高山俊(現阪神)、横尾俊建(現日本ハム)らを擁する日大三に2失点完投も準V。早大では1年春に大学日本一を経験したが、3年時に右肘を故障。社会人野球JX-ENEOSに進んだが、故障の影響もあり2年で戦力外に。以降は社業に就き、天然ガスの営業マンを務める傍ら、個人で1年間トレーニングに励んで復調。今年2月から1か月間、米国でトライアウトに挑戦し、2Aクラスの独立リーグ・キャナムリーグのニュージャージー・ジャッカルズと契約。会社を退社し、NPB、MLBに挑戦する。右投右打。

◇谷田 成吾(やだ・せいご)

 1993年5月25日、埼玉・川口市生まれ。25歳。東練馬リトルシニアから慶応高に進学。通算76本塁打を放った。甲子園出場なし。慶大ではリーグ戦通算15本塁打をマーク。4年秋にドラフト指名漏れを味わい、社会人野球のJX-ENEOS入り。高校、大学、社会人すべてのカテゴリーで日本代表を経験した。社会人3年目の18年3月に退社し、MLBトライアウトに挑戦。複数球団の調査を受けたが、契約に至らず。帰国後は四国IL徳島でプレー。昨秋のドラフト会議で指名ならず、引退した。一般企業20社以上から興味を示されたが、今年1月にIT企業「ショーケース・ティービー(現ショーケース)」入社。WEBマーケティングを担う。右投左打。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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