「野村監督以来のワクワク感」 桑田真澄氏がCBO就任、オイシックス監督が期待する“化学反応”
桑田CBOがオイシックスから受けた驚き…球界の危機に掲げる未来図
桑田CBOは直前まで巨人の2軍監督を務めていた。そして今季、オイシックスは巨人に4勝13敗と大きく負け越した。武田監督は「全て負けてるイメージなんです。(記憶では)0勝になってます」と振り返るほど、力の差を感じたという。一方の桑田CBOは当時を振り返り「(巨人の)選手の中では『やっぱりオイシックスには3連勝しないと』という雰囲気があったんですけど……」。新興球団として見下ろされる中での戦い。ただ、オイシックスは驚きも与えていた。
【注目】日本最速ランナーが持つ「食」の意識 知識を得たからわかる、脂分摂取は「ストレスにならない」――陸上中長距離・田中希実選手(W-ANS ACADEMYへ)
「なかなか苦戦しまして。武田監督の下で、選手たちが粘り強く戦ってですね、(3連戦のうち)だいたい1試合は負けるんですよ。『なぜ負けたんだろう』『オイシックスの粘りってすごいね』と、反省会をしたのを思い出しました」
このチームカラーはファンの支持を集めた。今季の年間観客動員は10万3701人にのぼり、リーグ内では巨人に次ぐ2位。ただ来季は、平均1673人だった観客数を同3000人まで引き上げ、勝率5割とAクラス入りという目標を掲げた。さらに毎年5人の選手が、NPBドラフトや海外リーグへの挑戦を通じてレベルアップできる環境を作りたいという。
こうした高いハードルの上に、桑田CBOには「球団独自の文化づくりを担う」という役割が託されている。その過程では選手に「プロフェッショナルであること」を求めていく。「高い技術を披露すること、ファンやメディア、スポンサーへの対応とか全てできてプロフェッショナルだと、僕は思うんです」。新潟の地から、新たなプロ野球像を発信したいのだという。
桑田CBOが抱く危機感は切実だ。中学生の野球人口が激減しているのを例に「日本の野球界はすごく危機的な状況」にあると指摘する。実際に今年の中体連発表によると、男女合わせた軟式野球部員は13万4078人で、2015年の20万5147人との比較では6割程度にしかならない。「もう何十年も前から言ってるんですけど、野球は将来はマイナースポーツに陥る可能性が非常に大きいと思ってるんです」と警鐘を鳴らす。
オイシックスというまだ真っ白なキャンバスは、この危機を打開する道を探す場ともなる。「強く、ファンに愛されるチームになる。良き文化を作って、新潟県の子どもたちに野球を普及しながら、それを全国に広めていくという未来図みたいなのを持ってるんです」。桑田CBOの思想は、武田監督率いる現場とどう化学反応を起こすのか。ユニホームは着ないものの「月の半分以上は球団に関わり、グラウンドにも顔を出す」という。新潟から球界の常識を変える、大きな挑戦が幕を開ける。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)








