[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

長州力以来、52年ぶり快挙へ異例の挑戦 レスリング界に現れた「二刀流」田南部魁聖

先輩・文田健一郎に掛けられた言葉

 グレコ63キロ級にはパリ五輪60キロ級金メダリストで日体大とミキハウスの先輩でもある文田健一郎が復帰戦として出場予定だった。「練習でポイントを奪ったこともないけど、諦めずに勝ちにいこうと思っていた」が、前日に欠場が決定。「同門である自分が勝たないといけないと思った」と話した。

【注目】日本最速ランナーが持つ「食」の意識 知識を得たからわかる、脂分摂取は「ストレスにならない」――陸上中長距離・田中希実選手(W-ANS ACADEMYへ)

 文田からは試合前「グレコの中にフリーを混ぜ込むレスリングを続けろよ」と言われた。パワー系の大技が多いグレコと俊敏さが求められるスピード系のフリーを高いレベルで両立できるからこその強み。本職はフリーだが「グレコをやっていることが自分の武器になっている」と話した。

 父は04年アテネ五輪フリー銅メダリストの田南部力氏。「2歳の時にアテネの会場で見た父が、今でも憧れ」という。父を追うように4歳で始めたレスリング。日体大コーチとしてセコンドについた力氏は「とにかくレスリングが大好き。好きすぎて、言うことをきかないんですよ」と苦笑いしながら、成長を続ける息子に目を細めた。

「本職」のフリー65キロ級には、パリ五輪金メダルで今年の世界選手権2位の清岡幸大郎(カクシングループ)が出場する。日体大の1年先輩で「普段から世話になっているし、よくしてもらっている」と言いながらも「目標を達成するために。勝たなければならない相手」。目標はもちろん、28年ロサンゼルス五輪。大きな壁を突破して長州力以来の「2冠」に輝けば、父を超える金メダルも見えてくる。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

1 2

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
oillio
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集