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長州力以来、52年ぶり快挙へ異例の挑戦 レスリング界に現れた「二刀流」田南部魁聖

レスリングの全日本選手権が18日、東京・駒沢体育館で開幕した。第1日は五輪で実施しない男女6階級の決勝などが行われ、男子グレコローマン63キロ級で田南部魁聖(23=ミキハウス)が初優勝。連覇を狙う20日からのフリースタイル65キロ級で、52年ぶりのグレコ、フリー両スタイル制覇に挑む。

全日本選手権の男子グレコ63キロ級で初優勝を果たした田南部魁星【写真:編集部】
全日本選手権の男子グレコ63キロ級で初優勝を果たした田南部魁星【写真:編集部】

全日本選手権

 レスリングの全日本選手権が18日、東京・駒沢体育館で開幕した。第1日は五輪で実施しない男女6階級の決勝などが行われ、男子グレコローマン63キロ級で田南部魁聖(23=ミキハウス)が初優勝。連覇を狙う20日からのフリースタイル65キロ級で、52年ぶりのグレコ、フリー両スタイル制覇に挑む。

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 フリーが本職の田南部が、グレコでも圧倒的な力を見せた。2回戦から登場し、相手に1ポイントも与えず全4試合テクニカルスペリオリティー勝ちの「完全優勝」。グレコで初めて頂点に立つと「明後日からのフリーに向けて切り替えたい」と本職での連覇を目指して話した。

 下半身への攻撃が禁じられるグレコと制限のないフリー、学生の大会などでは両スタイルをこなす選手は珍しくないが、全日本など高いレベルでは異例。同一年の全日本で「2冠」を達成したのは、1968年フェザー級の藤本英男(日体大教)と73年100キロ級の吉田光雄(専大)しかいない。

 68年メキシコシティー五輪グレコ銀メダルの藤本は監督として常勝・日体大の礎を築いた名将、72年ミュンヘン五輪韓国代表の吉田は専大卒業後プロレスラーに転身、長州力として活躍した。田南部がフリーも優勝すれば、長州以来52年ぶりとなる。

 昨年も両スタイルに出場した田南部だが、フリーは優勝したもののグレコは決勝で敗れ準優勝。体力的にも厳しいため、周囲からは「フリーに専念しては」という声もあったが「そう言われるのが悔しかった。だから、絶対に両スタイルで優勝したい」と話し「二刀流」にこだわる理由に「人と違うことがしたいというのはある」と明かした。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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