「キツかった…」出会いから13年、韓国捕手が感謝する日本人 WBC代表狙う36歳「変われたんです」
ベテランが感じる韓国球界の変化…日本にも「いつか必ず追いつく」
「ミスをしてもかまわない。すぐ次に移らなければいけないというところですよね。一つミスをしてしまっても、次のことを考えるようになって気持ちが揺らがなくなりました。そのおかげでここまで来られたと思っているんです」
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この年69試合に出場し、プロの世界でもやっていけるという自信をつかんだ。伊東氏が退任した翌年から出番を減らしたものの、2017年に移籍したハンファで完全に花開く。正捕手の座をつかみ、2020年には打率.301。2021年オフにはFAとなり、5年総額54億ウォン(約5億7700万円)という大金もつかんだ。そして韓国代表のユニホームを着てのWBC出場は、残された大きな夢だ。
「若い頃から代表入りは夢でしたよ。でもうまい選手がたくさんいて……。だからこうして、年をとってから代表のユニホームを着られたのは本当に光栄なんです。最後のチャンスだと思ってやっていますし、何とかWBCまで行ってみたい。後輩には負けないという気持ちでやっています」
韓国代表は、WBCで3大会連続の1次ラウンド敗退に終わっている。そして、プロ選手同士の日韓戦では2015年のプレミア12を最後に、実に10年間勝ちがない。2023年のWBC後には、盛んに敗因が語られた。そのうちの一つが、世界の球速向上の波に取り残されているというものだった。
ただその後の数年で、少しずつ状況は変わりつつある。 今回の代表には、韓国プロ野球で162キロを記録したムン・ドンジュも名を連ねた。チョン・ウジュは、東京ドームで最速154キロを叩き出した。2人と所属チームでもバッテリーを組むチェ・ジェフンは「後輩たちは本当に良くなりましたね」と目を細める。
「以前は150キロを投げる投手が、韓国プロ野球にはほとんどいなかった。でも今回の投手を見てください。若い投手はほとんどが150キロを投げる。今はみんな成長する時期なので、未来は開けていると思います。今は日本と韓国にすごく差があると言う人が多いんですが、いつか必ず追いつくと思っています」
23歳のシーズンに出会った日本の名捕手は、プロ野球の世界で生き抜く知恵と勇気をくれた。来年3月、チェ・ジェフンは再び東京ドームの土を踏むことができるだろうか。遅咲きの名捕手が、大きな夢に挑んでいる。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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