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「キツかった…」出会いから13年、韓国捕手が感謝する日本人 WBC代表狙う36歳「変われたんです」

来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、各国がメンバー選考を進めている。12月3日には35人のリスト提出が求められており、本番ではさらに30人まで絞られる。世界一を競う舞台に立ってみたいという欲求は、どの国の選手も変わらない。36歳での初出場を目指す韓国のチェ・ジェフン捕手(ハンファ)もその1人だ。若き日に自らの基礎を作ってくれた、日本人指導者との出会いを振り返ってくれた。

36歳で初のWBC代表を狙うチェ・ジェフン。根底にあるのは伊東氏の教えだ【写真:小林靖】
36歳で初のWBC代表を狙うチェ・ジェフン。根底にあるのは伊東氏の教えだ【写真:小林靖】

チェ・ジェフンが振り返る元西武・伊東勤コーチとの日々

 来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、各国がメンバー選考を進めている。12月3日には35人のリスト提出が求められており、本番ではさらに30人まで絞られる。世界一を競う舞台に立ってみたいという欲求は、どの国の選手も変わらない。36歳での初出場を目指す韓国のチェ・ジェフン捕手(ハンファ)もその1人だ。若き日に自らの基礎を作ってくれた、日本人指導者との出会いを振り返ってくれた。

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 チェ・ジェフンは、11月に東京ドームで行われた日韓戦が初の韓国代表選出だった。第2戦でスタメンマスクを被り、先発した19歳のチョン・ウジュ投手を3回無安打という快投に導いた。所属のハンファでもバッテリーを組む、17歳下の右腕はこう語る。「いつも組んでいるので、僕が何を投げればいいか、何が好きなのかをよく分かってくださっています。いいピッチングができたのはジェフン先輩のおかげだと思います」。固い絆がうかがえる言葉だった。

 投手を生かすというプレースタイルは、どこか日本的だ。それもそのはず。日本球界を代表する名捕手と過ごした1年間に「学ぶことばかりで、本当に感謝している」のだという。

 高校卒業時にはドラフト指名がなく、2008年に申告選手(日本の育成選手に相当)として斗山ベアーズ入り。軍服務を終えた2012年に出会ったのが、西武の黄金時代を正捕手として支えた伊東勤氏だった。斗山のヘッドコーチに就任した伊東氏は、当時チームの捕手では3~4番手だったチェ・ジェフンに目をかけた。

「伊東コーチは日本で最高の捕手で、監督でもあった方ですが、レギュラーよりもバックアップ、控え選手のことをとても気にかけてくれたんです。僕たちがうまくなってこそ、レギュラー捕手も楽にプレーできるという考えだったのだと思います」

 試合に出られる捕手は1人しかいない。実戦経験が乏しい控え捕手は、いかにして技術を磨けばいいのか。その中で伊東コーチが求めたのは、リードや技術の前に、まず試合に出続けるための体力だった。チェ・ジェフンは「とにかく体力がなければいけないと、基礎的なトレーニングをしましたね。キツかった……」と今でも苦笑い。さらに「何よりメンタルの部分を指導してくださって、僕は変われたんです」とまで言う。NPB通算2379試合出場の名捕手から、何を学んだのか。

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