侍ジャパンがはまった落とし穴…日韓戦で「全部逸れてる」 ヘッドが指摘、野手にも必要な適応期間
野球日本代表「侍ジャパン」は11月に東京ドームで強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vs韓国」を戦い、1勝1分で終えた。このシリーズではピッチコムやピッチクロックといったNPBにはないルールが採用され、選手たちは適応力を試された。その中で金子誠ヘッドコーチが指摘したのは、国際大会のたびにささやかれる「ボールの違い」だ。それも、投手ではなく野手のアジャスト不足が、日本野球の根幹にかかわるという。一体何が起きていたのか。

慣れる時間が必要なのは野手も同じ…金子誠コーチの指摘
野球日本代表「侍ジャパン」は11月に東京ドームで強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vs韓国」を戦い、1勝1分で終えた。このシリーズではピッチコムやピッチクロックといったNPBにはないルールが採用され、選手たちは適応力を試された。その中で金子誠ヘッドコーチが指摘したのは、国際大会のたびにささやかれる「ボールの違い」だ。それも、投手ではなく野手のアジャスト不足が、日本野球の根幹にかかわるという。一体何が起きていたのか。
【注目】日本最速ランナーが持つ「食」の意識 知識を得たからわかる、脂分摂取は「ストレスにならない」――陸上中長距離・田中希実選手(W-ANS ACADEMYへ)
11月16日の第2戦、日本は3回1死満塁から、韓国の3番ソン・ソンムンに右前適時打を浴びた。右翼手の五十幡(日本ハム)がバックホームしたものの、二走のパク・ヘミンも生還し2点を許した。4回には2死一、二塁からシン・ミンジェが左前適時打。左翼を守る西川(ロッテ)のバックホームも及ばず失点した。そして7回、2死一、二塁からパク・ヘミンの中前打で二走が本塁へ突入。韓国側のリクエストもあったが、中堅に入っていた五十幡からの返球でタッチアウトになった。これら3つの場面には共通点があった。外野手の送球が大きく逸れていたのだ。
金子コーチは「今日のバックホーム、全部左(一塁側)に逸れていたでしょう」と、この場面への“違和感”を口にする。原因は明らかだ。「毎日ノックを受けて、バックホームもしている。それで(送球が)左に行くってことはアジャストできていない可能性が高い。ボールにね」。NPBで使われている統一球より「滑る」といわれる大リーグ公式球に慣れる必要があるのは、投手だけでなく野手も同じなのだ。
なぜ、細かい部分を大事にしなければならないのか。金子コーチは「例えば、韓国の大半の選手に比べたら日本人の体は大きくない。我々はその差を、技術や繊細さで補っているのはずっと変わらない」と戦いの構図を指摘する。日本の野球はパワーをいたずらに追うのではなく、1点を守る方向に進化してきた。他国との違いは、国際大会で強みになってきた。ボールの違いによって、そこが狂うことへの危機感は大きい。
「やっぱり取れるアウトをしっかり取れるようにしないと。選ばれた選手それぞれが、どう対処していくのか。1週間ぐらいじゃどうしようもない」と語り、代表候補となる選手がオフのうちに対策しておく必要性を説いた。
どうすればこの課題を乗り越えられるのか。金子コーチ自身、体を張って試してきた。「慣れ」という感覚を作るには、結局時間をかけるしかないという。日韓戦やその前の合宿で連日、打撃投手を務めた。代表選手にぶつけたり、練習にならない球を投げるわけにはいかないため、自ら練習場所を借りて投げ込みを行ったのだという。
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)








