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サッカーの神様を愛した女子ハンド監督の数奇な人生 改めて思った「ジーコって本当にすごい」

改めて「ジーコは凄い」と思わされた。ハンドボール女子日本代表のモーテン・ソウバク監督が「ジーコ愛」をあふれさせたからだ。ソウバク監督は6日、都内で行われた女子世界選手権(26日開幕)日本代表メンバー発表会見に出席。会見後、ハンドボール指導者なのにサッカー好き、デンマーク出身なのにブラジル好き、そして何より「ジーコ推し」であることを明かしたのだ。

ジーコ氏との2ショット動画を見せるモーテン・ソウバク監督【写真:編集部】
ジーコ氏との2ショット動画を見せるモーテン・ソウバク監督【写真:編集部】

デンマーク出身、ハンドボール女子日本代表・ソウバク監督の「ジーコ愛」の人生

 改めて「ジーコは凄い」と思わされた。ハンドボール女子日本代表のモーテン・ソウバク監督が「ジーコ愛」をあふれさせたからだ。ソウバク監督は6日、都内で行われた女子世界選手権(26日開幕)日本代表メンバー発表会見に出席。会見後、ハンドボール指導者なのにサッカー好き、デンマーク出身なのにブラジル好き、そして何より「ジーコ推し」であることを明かしたのだ。

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 デンマークの大学でハンドボールとサッカーのコーチングを学んだソウバク氏は、仕事としてハンドボール指導者の道を選んだ。難民救済活動でスポーツを教え、自国のクラブなどでコーチを務めた後、ポルトガル語も話せないのに2005年にブラジルに渡った。

 クラブでの指導実績が認められて09年に外国人ながらブラジル女子代表の監督に就任。11年世界選手権5位、12年ロンドン五輪6位と過去最高の成績を残し、13年世界選手権で初優勝に導いた。サッカーやバレーボール、バスケットボールなどに比べてブラジルではマイナーなハンドボールで歴史的な快挙。一躍世界的な名将になった。

 もっとも、本人はハンドボールを選んで「失敗したよ」とジョークを口にするなどサッカーへの未練もチラリ。「ちょっと待って」というとポケットからスマートフォンを取り出し、ジーコとの2ショット動画を自慢げに披露した。12年ロンドン五輪後に行われたブラジルのテレビ局の対面企画。「もうだいぶ前だけど、緊張したよ。体が固まって、手の汗が大変だった」。懐かしそうに話した。

世界選手権に向けて健闘を誓うソウバク監督【写真:編集部】
世界選手権に向けて健闘を誓うソウバク監督【写真:編集部】

 ハンドボールでCB、サッカーではMF、選手時代はプレーメーカーだったソウバク氏にとって、ジーコはまさに「神様」だった。18歳の時にテレビで見た82年W杯スペイン大会、タイトルこそ逃したが今も世界中で「ブラジル史上最強」と呼ばれるチームだった。ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾ、そしてそれを操るジーコの「黄金の中盤」。同氏は「素晴らしかった。特にジーコは大好き。イタリアに(2次リーグで)負けた時は悔しかった」と話した。

 80年代は母国デンマーク代表も強く、86年には「ダニッシュ・ダイナマイト」と恐れられた攻撃力でW杯初出場も果たしているが「好きなのはブラジルだった」。好きが高じてブラジルに渡り、ハンドボールの「セレソン」を率いて世界的な名将へと駆け上がった。その後アンゴラをアフリカ女王に育て、サウジアラビアでも指導。豊富な国際経験のきっかけには「ジーコ愛」があった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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