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史上5人目1000得点「長くかかっちゃったかな」 五輪落選の挫折から1年、32歳東江雄斗が再起の大台【ハンドボール・リーグH】

松山&富樫に刺激「競技は違うけれど、頑張れる」

 この日、スタンドの一角には「東江雄斗」のタオルを掲げるゴルフの松山英樹、バスケットボールの富樫勇樹の姿もあった。プライベートで食事をするなど親交のある2人に「松山さんは世界を舞台に戦っている。同い年の富樫は今も日本代表の中心。競技は違うけれど刺激になるし、頑張れる」と感謝。2人の活躍があるから、再び日本代表の中心として世界と戦うことを目指すことができる。

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 もう1つ、刺激を受けるのは頼もしい次世代の活躍だ。先発で司令塔を務める伊禮は同じ沖縄・浦添市出身で中学、高校の後輩。この日の試合終了直後、真っ先に体当たりで祝福したのも伊禮だった。「今は雅太がゲームを作ってくれて、スパイスとして僕がいる感じ。小さいころから知っているし、成長はうれしい」と話した。

 伊禮は「雄斗さんは子どもころからの憧れで、尊敬する偉大な人。少しでも近づけるように頑張りたい」と話すが、東江は「慕ってくれるのはうれしいけれど、切磋琢磨するライバルでもある」。同じCBのポジションを争う8歳下の日本代表選手を意識して言った。

 もちろん、1000得点は区切りでゴールではない。「他のチームでも1000点を達成している選手がいるし、負けないように頑張りたい」。リーグでの目標は大同時代も経験のない優勝。「今日は一瞬、俺が決めてやるというゾーンに入ったけれど、大事なのはチームの勝利。そのために全力でプレーしたい」と決意を口にした。

「外から試合を見て、自分が入った時に攻撃を修正できるのが雄斗のすごさ」と水野裕紀コーチが言えば、佐藤智仁監督も「やってほしいことをやってくれる。それもおつりがくるほど」と絶賛する。悲願の初優勝に向けて欠かせないハイレベルな技術と頭脳。「東京にチームができて、ハンドボール界も盛り上がってきた。何としても優勝して、さらに盛り上げたい」。東江は決意を込めて言いきった。(荻島弘一)

■通算1000得点 日本リーグを刷新してスタートしたリーグHだが、なぜか記録は日本リーグから持ち越し。日本リーグ時代の1000得点達成者は1079点で現在3位の岩本真典(レッドトルネード佐賀監督)だけだったが、試合数の増加もあって昨季から立て続けに4人が達成している。18日現在で1位は1204点のLW小塩豪紀(豊田合成ブルーファルコン名古屋)、2位は1082点のLB吉野樹(ブレイヴキングス刈谷)、4位は1007点のRB東長浜秀希(ジークスター東京)。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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