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人生初の「サインください」に刺激 陸上混成競技の新大会、「観客参加型」に込めた仕掛け人の願い

選手と観客の距離を近づける、新たな陸上競技大会の幕が上がった。10月11日から2日間、山形市のネッツえがおフィールド(山形市あかねヶ丘陸上競技場)で開催されたのは、男子十種と女子七種を行う公認競技大会「渡辺パイプpresents 10&7 Championships山形大会」の第1回大会。ともに2度の五輪出場経験を持つ十種競技の第一人者、右代啓祐氏と中村明彦氏が混成競技の発展を目標に立ち上げた。

第1回大会を制したのは発起人・右代啓祐氏の実弟でもある啓欽選手(中央)【写真:平野貴也】
第1回大会を制したのは発起人・右代啓祐氏の実弟でもある啓欽選手(中央)【写真:平野貴也】

十種競技の第一人者が立ち上げた「10&7 Championships山形大会」初開催

 選手と観客の距離を近づける、新たな陸上競技大会の幕が上がった。10月11日から2日間、山形市のネッツえがおフィールド(山形市あかねヶ丘陸上競技場)で開催されたのは、男子十種と女子七種を行う公認競技大会「渡辺パイプpresents 10&7 Championships山形大会」の第1回大会。ともに2度の五輪出場経験を持つ十種競技の第一人者、右代啓祐氏と中村明彦氏が混成競技の発展を目標に立ち上げた。

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 国内から招待された男子16人、女子8人の選手が参加。男子は右代啓欽(エントリー)が7433点、女子は田中友梨(スズキ)が5529点と、どちらも2025年の日本選手権覇者が初代王者となった。右代啓欽は、棒高跳びで4メートル60の自己記録を更新する4メートル90を跳ぶなど活躍。「日本選手権と同じような気持ちで臨んだ。31歳だが、気候の対策などで学生より経験値があるので、精神面で勝てたと思う。今後、どれだけ大きな大会になるか楽しみ。第1回優勝で足跡を残したかったので良かった」と満足そうに振り返った。

 女子は、梶木菜々香(ノジマ)がリードしていたが、最終種目の800メートル走で田中がわずか5点差の逆転優勝を飾った。ホームストレートのコース手前まで観客を近づけたなか、歓声を浴びて激走した田中は「最後にラストスパートをかけるんですけど、観客が(視界に)いることで、いつもよりも気持ちが入る部分は、すごくあった。間近で見て感動すると言ってもらえることも多く、混成競技を知ってもらえる良い機会」と新鮮な試みに好感触を得ていた。

 この大会は2つの目的を持つ。1つは、混成競技の活性化。日本には大会が少なく、選手が切磋琢磨しにくく、世界へ羽ばたきづらい。今大会では高校生、大学生、社会人が同じカテゴリーで戦い、刺激を受け合う状況を提供。また、総合順位を争うだけでなく、種目ごとの優勝者、自己記録更新者に副賞を贈呈。個々が目標に挑める環境を整えた。男子では、八種競技の高校記録を持つ宮下輝一(市立船橋高、3年)が、1500メートル走を制するなど健闘。「普段は戦えないシニアの選手と戦えて、すごく面白かった。世界で戦える選手になることが、自分の中で大きなテーマ。海外の強い選手とも戦ってみたい」と触発されていた。

 個人記録の副賞は、選手に好評。総合成績とは無関係に、最後まで意欲的に記録を狙う姿勢を生み出した。多くの選手が種目別の自己記録を更新。女子の3種目で1位を取り、走り幅跳びで自己記録をマークした梶木は「いろいろとギフトをいただいた。それもあって、頑張れました」と笑顔を見せた。大会のアンバサダーを務めた右代啓祐氏は「日本のトップ選手が、招待された大会で自分の力を発揮してくれて、この大会でやりたいことができた。コンディション関係なしに自分(選手)たちのパフォーマンスを最大化でき、(今後の発展の)可能性を感じることができた」と手応えを語った。

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