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ロッカーで飛んだ“檄”「ここでは言えないようなことも…」 大逆転劇へ導いた指揮官の言葉

負傷者が相次ぎ、危機的状況

 佐藤監督がハーフタイムに強調したのは、チームとしての原則を徹底すること。「4局面(守備、守から攻、攻撃、攻から守)それぞれで原則に立ち返ることが必要だった」。守るべき原則が共有され、実行されれば、チームが崩壊することもない。「ハーフタイムの監督の話で、後半逆転できた」と選手たちは声を揃えた。

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 軸になるのは「激しい守備からの速い攻め」。大崎の選手が「後半はしっかりと抑えにきた」とジークスターの守備の強度が増したことに戸惑いをみせた。攻撃面でも若いLB泉本心(23)や細川智晃(30)の負傷でフル回転したLW宮本辰弥(27)がゴールを重ね、終盤はベテランCB東江雄斗(32)や小山哲也(31)が冷静なプレーでゲームをコントロールした。

 チーム状態は決してよくない。負傷離脱者が相次いで危機的な状況と言ってもいい。精神的な支柱でもあるPV玉川康博(30)が長期離脱し、同じPVのピサノライアン海夏人(24)も戦列を離れた。橋本明雄は病み上がりで無理はできずピヴォ(ポスト)は壊滅状態。「ピヴォのことを考えて寝不足です」と佐藤監督は笑った。

 この日は本職がバックスの信太弘樹(36)や趙顕章(34)をポストで起用する緊急布陣。「怪我人が多いから仕方ないですけど、大変ですよ。やったことないんですから」と昨シーズンからコーチを兼任する信太。「ハーフタイムの監督の話で気持ちが締まった。集中力も高まった」と振り返り「怪我人が戻ってくるまで、勝ち星を重ねていくしかない」と悲壮な決意で話した。

「これまでなら、あのまま負けていた試合」と佐藤監督。それでも逆転できたのは「選手の成長」を理由に挙げた。この日の相手だった大崎をはじめ、移籍組は各チームの主力だったが、それだけに劣勢に弱い部分もあった。そういう選手たちも含めて「根性論が通じるようになってきた」。苦しみながら手にした白星で、開幕戦の黒星以降は4連勝。初のリーグ制覇を目指して、厳しい戦いはまだまだ続く。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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