高橋藍が主将を務めるサントリーサンバーズ大阪と対戦

　バレーボールの石川祐希が所属する欧州王者シル・サフェーティ・ペルージャと、高橋藍が主将を務めるサントリーサンバーズ大阪のエキシビションマッチ「Qoo10 presents ワールドチャレンジシリーズ 2025」が7日、東京・有明アリーナで行われた。試合はペルージャが3-1（20-25、25-21、26-24、25-21）で勝利。アンジェロ・ロレンツェッティ監督は試合後に驚きの事実を明かした。

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　今回の試合は今年1月に両チームがパートナーシップ契約を締結したことがきっかけで開催。石川と高橋という日本のWエースの直接対決に、観客1万4158人が集まった。ペルージャは第1セットこそ落としたものの、石川の活躍などで逆転勝利。徐々にリズムを整えてペースを握る盤石な試合運びだった。

　試合後、取材に応じたロレンツェッティ監督は「本当に素晴らしい環境でプレーすることができました。これがオリンピックの最終ゲームじゃないというのが信じられないくらい」と埋め尽くされた客席とその熱気に驚いた様子だった。

　ペルージャの選手がサーブ時に線を踏む反則（フットフォルト）が数回見られた。「サーブは個人の力量の問題が非常に大きく影響する。我々の選手はここまで大勢の観客の方々に注目されながらプレーすることにまだ慣れていない。バレーボール選手は当然、肉体も鍛えていて背も高く、大きな存在ですが、そこでミスをすると縮こまってしまう」と環境の違いが選手に影響を与えていたことを明かした。

　勝利の裏に意外な事実があった。「実は日本には到着したばかりで、全員で一緒に行動するのが今日（7日）が1日目」と告白した。

「イタリアのバレーボール協会で、遠い国でジャパンツアーを行うのは初めてだと思っています」と語るように、欧州のチームがシーズン前に来日して試合を行うのは異例。「ただ世界は変わっていくと考えている。私が最初の経験者になることを感謝しています」と前向きなロレンツェッティ監督。その理由は「クラブチームというのは経営がありますから、利益を求める必要があります。海外においても名前を知ってもらうことが大事だとクラブが考えているのならば、当然私は従う」と説明した。

　加えて「もう一度言うがこれほどバレーボールが有名な国に、初めての経験として来られることは大変有意義なこと。非常にありがたい」と重ねた。8日に行われるサントリーとの2戦目について「勝つ気でやっていくことには変わりはない。シーズンでこの先どういうプレーをしていくのか、いろいろ試したい。今回絶対にやりたいことは14人全員を日本でプレーさせる。誰1人手ぶらで帰らせない」と強調した。過酷な日程すら糧とする、指揮官の計算が垣間見えた瞬間だった。