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陸上界に現れたスーパー女子高生の正体 17歳久保凛は“ただの天才”にあらず…恩師の証言「苦しさに耐え、継続する天才です」

ついに“スーパー女子高生”が今夜、世界デビューを飾る。陸上の世界選手権東京大会(国立競技場)は18日、女子800メートル予選に17歳・久保凛(東大阪大敬愛高3年)が登場する。高校2年で日本記録を樹立し、今年7月の日本選手権ではさらに更新。「天才少女」として陸上界の注目を浴びてきた。しかし、東大阪大敬愛高で指導する野口雅嗣監督が抱く印象は少し異なる。恩師が見た逸材の正体とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

久保凛【写真:荒川祐史】
久保凛【写真:荒川祐史】

ついに今夜世界陸上デビュー、恩師・野口雅嗣監督が見た逸材の正体

 ついに“スーパー女子高生”が今夜、世界デビューを飾る。陸上の世界選手権東京大会(国立競技場)は18日、女子800メートル予選に17歳・久保凛(東大阪大敬愛高3年)が登場する。高校2年で日本記録を樹立し、今年7月の日本選手権ではさらに更新。「天才少女」として陸上界の注目を浴びてきた。しかし、東大阪大敬愛高で指導する野口雅嗣監督が抱く印象は少し異なる。恩師が見た逸材の正体とは。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

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「僕は『努力の天才』だと思っている」

 久保凛は天才か――。その問いに、少し考えた野口監督は答えた。

 初めて走りを見たのは久保が中2だった4年前。ダイナミックなフォームに積極的なレース。2021年の近畿総体でキラリと輝く13歳に心を奪われた。

 中3で中学日本一に輝いた逸材を自らスカウトし、東大阪大敬愛高への入学が決定。地元・和歌山を離れ、母と兄弟の住む大阪の家から通うことになった久保を迎え入れた。そこから3年間、“特別メニュー”を作るなど二人三脚で歩んできた。

 入学4か月でいきなりインターハイを制し、高2で日本選手権を制覇。その2週間後に日本新記録(1分59秒93)を樹立するなど、瞬く間に日本では頭一つ抜けた存在に。国内最高峰の舞台である日本選手権ですら、実業団の選手や大学生に大差をつける。

 もちろん、練習中にも競う相手はいない。常に単独走だ。「大変な練習を『自分のため』と思えるかどうか。久保は自分のためになると思って、絶対にやり遂げようとする。だから強い」。近くで見てきたからこそ、野口監督が感じる強さがある。

 小学生時代はサッカーに打ち込み、右サイドを攻めあがった。好きな選手は澤穂希、ネイマール、メッシ。本格的に陸上競技を始めたのは中学から。サッカー日本代表・久保建英のいとことして注目を集めたが、今ではその説明は不要になった。

 高3となった今年7月の日本選手権は自身の記録を0秒41更新する日本新で連覇を達成し、直後のインターハイでは同種目初の大会3連覇を飾った。世界との距離が特に遠い種目だった女子800メートルで戦える逸材にまで成長した。

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