野球チェコ代表が日本の高校生に受けた衝撃「練習がすごくて…」 感じた強み「米国とは全然違う」

フルプの巨人入りで変わる価値観「一番の衝撃だった」
チェコ代表は強くなる過程で、チームで勝つという日本野球のスタイルに近づいていった。そして今年はビッグニュースがあった。10年前のU-18代表でともに戦ったフルプが巨人と契約。7月には支配下に昇格し、1軍出場も果たしたのだ。カラーベクも「チェコ野球にとって一番の衝撃だったと思います。100パーセント」と驚きを隠さない。
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チェコの選手が日本でプレーした例は、これまで独立リーグしかなかった。突然目の前に、自分たちの可能性を示されたようなものだ。現在28歳のカラーベクも「日本でプレーできればいいね」という思いはあるが「これからの選手には日本のNPBを目指してほしいですし、2030年と言わず近い将来、チェコ人がもっと日本でプレーできるようになればいいなと思います」とまず将来的な変化を期待する。
カラーベクは現在、化粧品メーカーで商品開発の仕事に従事している。プロや社会人野球がある日本と比べ、トップレベルの選手でも野球を続ける難しさは段違いだ。「私の夢はもう、野球をできる限り続けることなんです。いろんなスポーツが好きですが、野球はそのスポーツの中で一番美しいと思っています」。実は10代半ばまで、レスリングでも有望な選手だった。チェコ代表の可能性もあったという。
「レスリングも楽しかったんですが、チームスポーツという意味で野球のほうが面白かったんです。結局野球を選んで良かったと思っています」
チェコでは野球どころの東部ブルノで育った。野球を始めたのは、現在チェコ代表を率いるハジム監督が、小学校に勧誘に来たのがきっかけだ。その前にも、こんな原風景があったという。「母親が私をベビーカーに乗せて、野球場の周りを散歩したことがあったらしくて。その時にユニホームがかっこいいと思ったようなんですね。だから野球の誘いが来た時、お母さんがもうすぐにやらせるとなって」。チェコではまだまだ少数派のスポーツだが、すっかり魅了されている。
始球式のために訪れたZOZOマリンスタジアムで、また日本野球の環境に驚いた。そこで誓ったことがある。「チェコ代表としては1.5軍みたいな感じなので、確実に代表に選ばれるようになりたいと思っています」。チェコは来年3月のWBC出場が決まっている。今回の来日では、茶道具やラーメンどんぶりなど、日本ならではのものをかばんにパンパンに詰めて帰国したカラーベク。また来日のチャンスをつかむためにも、精進を続ける。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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