「大坂選手も錦織選手もそう」― プロ選手が東北の“原石”に伝えた成長のヒント
実感した子供たちの成長「ここから世界で通用するようなタレント出てくれば」
東日本大震災から8年。17歳だった綿貫も大地震の日、自宅に戻れず、都内のナショナルトレーニングセンターの会議室で眠れぬ夜を過ごした。
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宮城県出身の友人の実家が津波で流されるテレビ映像を目撃したことは今でも忘れられない。また、埼玉県内の実家が運営する「グローバル・プロ・テニス・アカデミー」の一員として復興支援チャリティーイベントに参加。日本テニス協会を通じて被災地にテニスラケットや義援金を寄付したが、当時の思いは持ち続けている。
2時間の練習後に行った1年間の成果発表イベントでは子供たちの成長に、綿貫は嬉しそうに頷いていた。
「1年間で僕よりも背が伸びた生徒もいましたが、みんな順調に成長していたことが嬉しかった。ここから世界で通用するようなタレントが出てくれば、被災地の人々にとっても、自分自身にとっても大きな勇気になります。そうなれば最高ですね。これからも子供たちの夢を応援していきたい」
弟のプロテニス選手、陽介のツアーコーチとして海外遠征の機会が多くなったが、遠隔指導ならいつでも身近に感じられる。「スマートコーチ」を通じて育んだ子供たちとの絆は、綿貫にとってもかけがえのない財産となっている。
(THE ANSWER編集部)