「大坂選手も錦織選手もそう」― プロ選手が東北の“原石”に伝えた成長のヒント
公益財団法人東日本大震災復興支援財団は、東北の子供たちを対象にアスリートやプロの指導者が1年間指導する機会を提供する「東北『夢』応援プログラム」を立ち上げ、支援を続けている。3月31日、福島・いわき市のテニスコート「ア・パース」で、小中学生12人を対象にプロテニス選手の綿貫敬介(明治安田生命)が冷たい風を吹き飛ばすような熱い指導を展開した。
綿貫敬介が「東北『夢』応援プログラム」でいわき市の小中学生12人を指導
公益財団法人東日本大震災復興支援財団は、東北の子供たちを対象にアスリートやプロの指導者が1年間指導する機会を提供する「東北『夢』応援プログラム」を立ち上げ、支援を続けている。3月31日、福島・いわき市のテニスコート「ア・パース」で、小中学生12人を対象にプロテニス選手の綿貫敬介(明治安田生命)が冷たい風を吹き飛ばすような熱い指導を展開した。
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「今日は普段やっている練習をしてみましょう。その中で、上手くなっていくためのポイント、考え方を伝えていきたいと思います」
綿貫が最初の挨拶で子供たちに声をかけると、元気な返事が返ってきた。「夢応援マイスター」として「東北『夢』応援プログラム」に賛同。昨年4月から1年間、「スマートコーチ」という遠隔指導ツールを活用し、技術指導を続けてきた。生徒の中には福島代表として全国大会に出場するまでに成長した女子選手もいる。タレントの原石たちに、綿貫は成長のヒントを伝えた。
「何も考えずに2時間ただただ練習しても意味はありません。メニューをこなしながら、その中で自分なりの目標を常に立てておくべき。今日のストロークでコーナーに絶対10本入れる。コーチのバックハンドだけを狙い続ける、というのもあり。1度もミスをしない、でもOKです。大坂選手や錦織選手もそう。自分でテーマを設定できる選手は同じ練習をしてもどんどん伸びていきます」
こう声をかけると、子供たちは頭の中に思い描いたテーマに着手。ラリーの中でダウンザラインを意図的に狙い続ける生徒もいた。日常の中にも自分なりのテーマを見い出す。育成年代の指導にも定評を持つ綿貫の言葉に、生徒たちは目を輝かせていた。