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ドーピング検査の“過ち”で出場停止 事実無根の中傷、DMは暴言の嵐に…耐えた空白の1年5か月「自分を信じていた」――カナク・ジャ

卓球のシングルスNo.1を決める国際大会「WTTチャンピオンズ横浜」は7日から5日間、横浜BUNTAIで熱戦が繰り広げられた。男子世界ランキング31位の25歳、カナク・ジャ(米国)は準決勝で同4位の張本智和(トヨタ自動車)に1-4で敗北。決勝進出を逃したが、格上を撃破しての4強入りとなった。過去にはドーピング検査の情報不備で1年5か月の出場停止処分を経験。選手生命を諦めず、再び世界のトップレベルに帰ってきた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

WTTチャンピオンズ横浜に出場したカナク・ジャ【写真:中戸川知世】
WTTチャンピオンズ横浜に出場したカナク・ジャ【写真:中戸川知世】

WTTチャンピオンズ横浜

 卓球のシングルスNo.1を決める国際大会「WTTチャンピオンズ横浜」は7日から5日間、横浜BUNTAIで熱戦が繰り広げられた。男子世界ランキング31位の25歳、カナク・ジャ(米国)は準決勝で同4位の張本智和(トヨタ自動車)に1-4で敗北。決勝進出を逃したが、格上を撃破しての4強入りとなった。過去にはドーピング検査の情報不備で1年5か月の出場停止処分を経験。選手生命を諦めず、再び世界のトップレベルに帰ってきた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

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 1回戦でシモン・ゴジ(フランス)、2回戦で高承睿(台湾)、そして準々決勝でチウ・ダン(ドイツ)と並みいる強豪を撃破。「この大会に臨む前は、とにかく1回戦突破できればいいなと思っていた。本当に最高の気分だ」と満足感を示す。準決勝で張本に敗れたものの、ベスト4の躍進を見せた。

 2018年にはユースオリンピックで3位、2021年には世界選手権ベスト8……。順風満帆だと思っていた卓球人生に落とし穴が待っていた。アンチ・ドーピング規則違反だ。

 五輪代表やその候補選手にはドーピングの「競技会外検査」、いわゆる抜き打ち検査のために、練習時間と場所をあらかじめ提出することが義務化されている。申告した内容に反して本人がおらず、検査員が検査を実施できないことが12か月間に3回発生すると出場停止処分が下される。

 そして2022年12月。22歳だったジャは居場所情報提出の不備により、米国アンチ・ドーピング機構(USADA)から1年5か月の出場停止処分を受けた。「もちろん故意ではない」と言うように、ドーピングを使用したと判断されたわけではなく、居場所の申請を正しく行わなかったことが原因とみられる。ただし、どのアスリートも守っているルール。決定を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴したものの、棄却された。

 当時の心境をこう振り返る。

「最悪の気分だったよ。5歳の頃から卓球は僕の人生そのものなんだ。文字通り、卓球が人生の全てだったんだ。家族や身近な人たちを除けば、卓球は僕の人生における最初の愛だった。特に最初の数か月間は本当に辛かった」

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