イチローより先に米野球殿堂を沸かせた日本人 世界が驚く超軽業…フェンスをスルスル、オリ先輩の偉業「本当にできるなんて」
米大リーグで通算3089安打を放ったイチロー氏は、日本人として初の米野球殿堂入りが決まり、27日(日本時間28日)に、ニューヨーク州クーパーズタウンでセレモニーに臨んだ。一方、この殿堂で40年以上にわたり、訪れる世界のファンを驚かせ続けている日本人がいる。元阪急の山森雅文が1981年に見せた、外野フェンスによじ登って本塁打を“強奪”するプレーが「野球史上最も偉大なキャッチ」として紹介されているのだ。奇跡のようなプレーは、なぜ可能だったのか。イチロー氏ともオリックスでチームメートだった山森さんを訪ねた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

米殿堂で紹介された山森雅文さん「野球史上最も偉大なキャッチ」
米大リーグで通算3089安打を放ったイチロー氏は、日本人として初の米野球殿堂入りが決まり、27日(日本時間28日)に、ニューヨーク州クーパーズタウンでセレモニーに臨んだ。一方、この殿堂で40年以上にわたり、訪れる世界のファンを驚かせ続けている日本人がいる。元阪急の山森雅文が1981年に見せた、外野フェンスによじ登って本塁打を“強奪”するプレーが「野球史上最も偉大なキャッチ」として紹介されているのだ。奇跡のようなプレーは、なぜ可能だったのか。イチロー氏ともオリックスでチームメートだった山森さんを訪ねた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
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「練習でやったことが、本当に試合でそのままできるなんて……全く思っていなかったですね」
山森さんは今も、こう愉快そうに笑う。1981年9月16日、阪急ブレーブスの本拠地だった西宮球場で行われたロッテ戦。初回1死、ロッテ弘田澄男の打球は左翼へ高く上がった。ブルペンになっていたラッキーゾーンへ飛び込む本塁打かと思われたところに、阪急の「7番・左翼」で先発していた山森さんが軽やかにダッシュしてきた。
金網に右手をかけると、自分の身長よりも高い金網をスルッとあっという間によじ登り、最後は左足をフェンス最上部にかけた。バランスをとりながら空へ突き出したグラブに、ボールはすっぽり。あまりにも見事な本塁打キャッチが完成したのだ。
この時、山森さんはプロ3年目の20歳。守備固めが中心ながらようやく100を超える試合に出場し、自信をつかみかけていたところだった。そして1軍に定着すると同時に、始めた練習があった。
「山森、もし捕れたら儲けもんやろ。やってみんか?」
そう声をかけてきたのは、大熊忠義コーチ。フェンスに登って、本塁打をキャッチする練習をしようというのだ。
大熊コーチが打つ「本塁打になるかならないか」という飛球を、フェンスに登って捕球する練習が始まった。ピンポイントでそこに打てるノック技術に、プロの凄みを感じた。やがて、わずか数センチの幅しかないフェンス最上部を平均台のように使い、歩く練習までしていた。「田舎で育ったもので……。木から木へ飛び移ったりするのは子どもの頃、よくやってたんです」。生来の身のこなしが見込まれたのだ。
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