バレーボールは「高さは正義」なのか 世界は女子190cmも当たり前 「現実」に屈しない日本への期待

日本女子は18チーム中17番目…リベロ導入で世界の高身長化が顕著に
バレーボールでは、よく「高さは正義」と言われる。2メートル24センチ(男子は2メートル43センチ)のネットを超えてボールが行き交うスポーツ。当然、身長が高い方が有利になる。
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今大会出場18チームの平均身長を、リベロとセッターを除いて比較してみた。日本は17番目、下には178.8センチのタイしかいない。192.9センチで最も高いのが中国、2番目がポーランド、3番目がブラジルと米国の190.7センチで、いずれも決勝ラウンドに進んでいる。
逆に、日本に次いで平均身長の低い韓国(183.1センチ)と最も低いタイは最下位争い。結局、韓国のリーグからの降格が決まった。結果を見れば、高さと成績はほぼ比例する。だからこそ、その中で日本の3位通過は快挙といえるのだが。
日本バレーは男女ともに「高さのハンデを技術とスピードで克服」しながら成績を残してきた。古くは1964年東京五輪女子の「回転レシーブ」、74年ミュンヘン五輪男子の「速攻コンビバレー」……。圧倒的な守備力と技術力、不断の努力で体格に恵まれない(が常識だった)日本が世界に伍してきた。
もっとも、それほど彼我の差は大きくなかった。確かに相手に超長身のエースがいたり、平均身長で劣っていたかもしれないが、せいぜい数センチ。今大会のように平均で10センチ以上も差があることは少なかったように思う。
銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪時の平均身長は175センチだったが、セッターの竹下佳江、中道瞳、リベロの佐野優子の159センチトリオを除けば180センチ超。優勝したブラジルとの差は5センチほどだった。
平均身長が一気に伸びたのは、1998年にリベロが導入されてからだ。それまでは攻撃が得意の選手でも後衛に回れば守備をしなければならなかった。守備を専門のリベロに任せるようによって、攻撃だけに特化した選手が生まれた。「高さ」だけで活躍できるようになった。
リベロ導入以降、世界のバレー界の高身長化は顕著だ。96年アトランタ五輪の日本代表はセッターを除く平均身長が177.3センチだったが、予選敗退した2000年シドニー五輪をはさみ、04年アテネ五輪ではセッターとリベロを除いて182.6センチになった。もっとも、世界はこの後も高さを増しているが、日本はこの時が最長身。その後は横ばいか、下降している。
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