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人口4万8000人 “海のない湘南”寒川町がストリートスポーツ世界大会を開催する理由

木村俊雄寒川町長(左)と内野洋平氏【写真:荒川祐史】
木村俊雄寒川町長(左)と内野洋平氏【写真:荒川祐史】

「会場となる町が、どういう気持ちで選手の皆さんや観客の皆さんをお迎えするか」

「初めてお話しさせていただいた時から、町長が『BMX』という3文字を知っていらした。他の場所に行くと、特に行政に関わる方には、そもそもBMXって何ですか?っていう説明から始まるんですよ。その上、ストリートスポーツというと、いろいろなイメージを持っていらっしゃる方々もいる。でも、木村町長はすんなりと『あ、BMXね。うちはパンプトラックあるから』って(笑)。話がしやすかったですね」

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「もう、進める前提でいたから」と笑う町長だが、心の中には「本当に世界大会を開催できるのか」という不安もあったという。さらに、町長とは言え、開催を独断で決定することはできない。そんな中で追い風になったのが、議会を含む町民の理解と関心の高さだった。

「町議会で『やってみようよ』という声が上がり、神奈川県からも協力しようという動きが出た。町民の方とお話しした時も『寒川で世界大会をするの?』という、ある意味、新鮮な驚きがあったんですよ。だったら、これを町おこしのきっかけにしようということになったんです」

 決定後は話が早かった。「ARK LEAGUE」実行委員会と共同開催という立場になった寒川町は、開催費用として3000万円を支援。「物事はやっぱりスピーディに決めないといけない」と、行政=お役所仕事の既成概念を覆す意思決定の速さで、開催を全面サポートしている。

 3月1日にはBMXフラットランドの本格屋内練習場「FLATPARK SAMUKAWA」がオープン。取り壊す予定だった町営屋内プールを改装した、日本でも珍しい屋内練習場では、選手が本番と同じステージで練習できるほか、子供を含む誰もが気軽にBMXを無料体験できる。町の広報誌3月号では表紙で内野をフィーチャーし、町全体に「ARK LEAGUE」開催をアピール。木村町長は「会場となる町が、どういう気持ちで選手の皆さんや観客の皆さんをお迎えするか。そういう気持ちが伝わらないといけない」と、町民一人ひとりが関わり、盛り上げるイベントを思い描く。

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