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巨人退団から3年、陽岱鋼の頭にある“退き時” 38歳が挑戦続ける理由「時間が足りない」明かした将来の夢

走攻守揃った選手として鳴らした陽岱鋼も、年齢を感じる時があるという【写真:羽鳥慶太】
走攻守揃った選手として鳴らした陽岱鋼も、年齢を感じる時があるという【写真:羽鳥慶太】

守り続けるルーティンと探す新たな道「時間が足りない」

「ティー打撃ですね。置きティーです。常にしっかりタイミングをとって、打つ方向を決めてからボールに入っていく。プロに入ってすぐ、福良(淳一=現オリックスGM)さんにそう教わったので。強いライナーを打つためにはそうしないと、勝手に打球は上がってくれない。いまだにそれは守っていますね」

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 20年前の陽は、ドラフト史に残る事件に巻き込まれた。2005年秋、高校生ドラフト1巡目の抽選だった。陽の指名は日本ハムとソフトバンクが競合し、一旦は交渉権はソフトバンクとアナウンスされた。のちにくじの「ハンコ」が原因の見間違いが発覚し、日本ハムに訂正。当時は日本語が今ほど流暢でなかった陽の困惑は、指名後もしばらく続いた。そんな昔話をすると「もうすぐ40ですよ。おっさんですよ」と笑ってみせるが、年齢を自覚する瞬間も確実に増えている。

「自分でも感じますよ。そんなに歳取ってるか? って思うけど、やっぱり年数を見たらやってるわけで。自分が歳取ったのを認めなきゃいけない。そこは現実ですけど、野球に対する気持ちは、うちの選手にも全然負けてないなと思って。スピードや体のキレもカバーしたい。だけど実際には、違うものを見つけようとしているんですよ。限界を越えるために」

 若い頃のやり方を守るだけではなく、一方で別のスタイルも探し求めているのだという。「違う道も絶対あると思うんだけど、今の僕がそれを見つけるには、時間が足りません。もう残された時間が足りない」。最後は全てを出し尽くして、引退したいと思っている。もう遠くない、現役を退く瞬間。今の陽にはどれくらいイメージできているものなのだろうか。

「見えてますよ。自分ではこうなったら辞めるというのはあります」

 いつも口にしてきたのは「全力プレーをできなくなったら辞める」という信条だ。ただ退き時を決めるには、もうひとつ大きな要素がある。

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