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ドジャース劇的HRで実況席に36年越しのドラマ 「あの瞬間、全て重なった」2秒で口を突いた伝説

19日まで東京ドームで行われた米大リーグの「MLB 東京シリーズ by Guggenheim」はドジャースがカブスに2連勝して幕を閉じた。「THE ANSWER」では来日した選手、米メディア関係者らに現地で直撃取材。「ドームで聞いたANSWER」と題し、語ってもらった内容を伝える。

昨年のワールドシリーズ第1戦でサヨナラ満塁弾を放ったフレディ・フリーマン【写真:ロイター】
昨年のワールドシリーズ第1戦でサヨナラ満塁弾を放ったフレディ・フリーマン【写真:ロイター】

「ドームで聞いたANSWER」第41回

 19日まで東京ドームで行われた米大リーグの「MLB 東京シリーズ by Guggenheim」はドジャースがカブスに2連勝して幕を閉じた。「THE ANSWER」では来日した選手、米メディア関係者らに現地で直撃取材。「ドームで聞いたANSWER」と題し、語ってもらった内容を伝える。

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 第41回は、米カリフォルニア州地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」でドジャースのメイン実況を務めるジョー・デービス氏。開幕2連戦では東京ドームの実況ブースに座り、大谷翔平投手らの凱旋を声で盛り上げた。数々の名場面を伝えてきた37歳の敏腕アナウンサー。昨年のワールドシリーズ(WS)で残した名実況の背景を聞いた。(取材・文:THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

 ◇ ◇ ◇

 36年の時を越え、同じ空を舞った2つの白球を1つの言葉が繋いだ。

「SHE IS……GONE!」

 ドジャースタジアムの右翼席に打球が突き刺さった時、デービス氏は絶叫した。

 2024年10月25日、午後8時39分。ヤンキースとのWS第1戦。2-3で迎えた10回裏2死満塁。初球を完璧に弾き返したフレディ・フリーマン内野手は、痛めていた右足首をかばいながらゆっくりとベースを回った。劇的な逆転サヨナラ満塁弾。デービス氏は続ける。

「GIBBY! MEET FREDDIE!(ギビー! フレディをご紹介!)」

 GIBBYとは、ドジャースOBのカーク・ギブソン氏のこと。1988年のWS第1戦、両足に負傷を抱えながら放った代打逆転サヨナラ2ランは、ロサンゼルスで今も語り継がれる伝説だ。1950年から67年間ドジャースの実況を務めたレジェンド、故ビン・スカリー氏がこの時叫んだ言葉が「SHE IS……GONE!」だった。

「もちろん、あれはビンへの敬意を込めたものでした」。普段は「IT IS……GONE!」と口にすることが多いデービス氏。白球の代名詞を「SHE」に変えた理由を聞いた。事前に準備していた言葉だったのか――。記者の問いに首を振った。

「いや、あの瞬間に全てが重なり合ったんです。打球の軌道があまりにそっくりだったので。あの打球を見た時に、WSという舞台、足を引きずるスター、そういったことが全て結びついたんです。頭に浮かんできてくれて、本当にラッキーでした」

 わずか2秒で咄嗟にひねり出したフレーズ。ドジャース公式Xは後に、2つのサヨナラ弾を上下に重ねた映像を公開した。「SHE IS……GONE!」のタイミングは恐ろしいほどに一致していた。ギブソンの本塁打が生まれたのは1988年10月15日の午後8時38分。決着の時間まで酷似していた。

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