小林陵侑も人間である 「地球上3人だけ知る世界」の先人から届いた“お告げ第2弾”
小林陵が語った完全Vの価値「サッカーでいうW杯優勝&MVP」
小林陵に1番欲しいタイトルをたずねて、最初に返ってきたのがジャンプ週間4連勝だった。そして、そのインパクトをこう例えた。
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「サッカーでいう(W杯)優勝トロフィー取って、MVPに日本人が選ばれたみたいな。だって、取れないじゃないですか。ネイマール、メッシ、ロナウド、やばい選手いっぱいいるから」
ジャンプが盛んな国では、ジャンプ週間総合優勝は五輪金メダルに匹敵するタイトル。総合王者になったら自叙伝を書いたり、CMに出てみたり……立つステージが一気に上がる。
ジャンプ週間が特別なのは、W杯よりも長い歴史はもちろん、ドイツとオーストリアで年末年始に元旦を含む4連戦という舞台設定があるから。
ドイツでは、公共放送が予選から中継するが、小林陵が優勝した元旦ジャンプは、「ARD」で665万人が視聴。マーケットシェア29.7%を記録している。ハンナバルト氏が解説する「EUROPORT」でも放送しており、実際の数字はもっと高いはず。
ここ最近こそ苦戦の続くジャンプ王国オーストリアも、全盛期は驚異のマーケットシェア60%超え。開催国でなくとも強豪のノルウェーでは、自国選手が総合優勝争いをしていた時に公共放送「NRK」がシェア70%超という、とんでもない数字を叩き出していたことが報じられていた。
けた違いの注目度はもちろん、特徴の異なる4つのジャンプ台への適応力に加え、8回のジャンプのうち1回でも失敗すれば脱落という集中力、そしてトータル10万人以上を動員する大観衆にビビらない度胸が必要。心身ズタボロになっても不思議じゃない。
昨季、ジャンプ週間2連覇を史上2人目の完全優勝で飾ったストッフも、「大会の後はキツかった。9日間、毎日ライバルと戦いながら1試合ではなく4試合。プラス予選で8試合。精神的にも肉体的にも、ものすごくエネルギーを消費した」と振り返る。
ストッフは、ジャンプ週間直後のW杯でまさかの21位。平昌で五輪2大会連続の金メダルを獲るまで優勝から遠ざかり、その間には故郷のW杯で大観衆ぼう然の1回目敗退もあった。