愛知県フィギュアスケート選手権大会に出場

　愛知県フィギュアスケート選手権大会が21日、日本ガイシアイスアリーナで行われた。体操女子で五輪2大会に出場した寺本明日香さんが、ブロンズ女子クラス1に出場。フリー17.41点で、出場2人中1位だった。いわゆる「大人スケート」のカテゴリー。競技者となる考えはないが、1つのプログラムを完遂できたことに充実感を漂わせた。「すっごい楽しい」というスケートは、体操に対する考えにも大きな影響を与えている。

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　演技の節々に、元オリンピアンの美しさを感じさせた。1回転サルコー、トウループを2本ずつ決め、さすがの柔軟性で高く足を上げたY字スパイラルも披露した。仲の良い世界女王・坂本花織が中学生の時に着用していたというブラックの衣装を借りての出場。およそ1分40秒のプログラムをきっちり完遂し、演技後は笑顔がはじけた。

「試合前の緊張感が久しぶりに味わえました。体操よりあっという間でした」

　エントリーしたのは28歳以上の「アダルト」カテゴリー。ブロンズは2級以下で、クラス1は1986年7月1日～1996年6月30日の間に出生した者が対象となる。プログラムは1分40秒±10秒。ジャンプは1回転を最大4本、スピン同2本、コレオーシークエンスが入るというものだった。

　昨年1月に現在のスケート靴を購入。ジャンプやスピンの練習を始めて約1年になる。年齢や技術に適したクラス分けがなされた大会で「あくまで趣味の延長線上」と説明していた寺本さんも現状に見合ったカテゴリーで出場。ただ、体操の元五輪選手がフィギュアの大会に出場するという珍しさから、SNS上でエントリーを報告すると想像を超える反響があった。

「私、1回転しか跳べないんですけど……大丈夫ですかね？」。戸惑いもあったが、「大人スケート」の世界を知ってもらえるとプラスにとらえた。年を重ねてからスケートを始めてもプログラムを披露する機会があり、スケートの技術を磨いたり、楽しんだりできる世界だ。