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なぜ、IT企業だった? 元「由伸2世」決断のワケ 採用者「将来は独立して構わない」

「ショーケース・ティービー」で執行役員を務める福山敦士さん【写真:編集部】
「ショーケース・ティービー」で執行役員を務める福山敦士さん【写真:編集部】

5か年計画、20代のうちに一人前に…福山さん「将来は独立して構わない」

 同社は「おもてなしテクノロジーで、人を幸せにする」を経営ビジョンに掲げるソフトウェアメーカー。ITをより便利にするサービスを手掛けている。WEB上の入力フォーム支援ツールである「フォームアシスト」などの10種類以上の特許も持つ。従業員数120人。福山さんが後輩の谷田さんを採用するに至ったのは、アマチュアを含めた第一線で活躍した野球選手のセカンドキャリアに関する課題を感じていたからという。

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「会社として、若手メンバーの挑戦事例を生み出したいという課題を持っていたことが(採用した理由の)一つ。もう一つは野球部出身の人材を活かしたかったという面もあります。現状、野球に打ち込んできた人間が活躍できた事例が少ない。社会人1年目であっても野球人として10年以上、培ってきたチームワーク、精神力など、ビジネスの世界で活かせる要素は多い。

 だからこそ、彼に活躍する事例を作ってほしい。短期で結果を残し、証明することが彼のように野球の第一線で取り組んできた野球部出身者への勇気になる。社会人を辞め、米国に渡り、凄い挑戦を続けてきた。その裏ではいろんなことを言われたと思う。プロ野球には届かなかったけど、自分としても彼をプロのビジネスマンと呼ばれるような人間にすることに命をかけたい」

 そんな思いが合致し、入社に至った。福山さんは早い段階で営業を任せ、20代のうちに事業責任者を担えるよう、5か年計画でビジネスのイロハを教え込んでいる。「将来的には独立してもらって構わない。NPBの世界は30歳から40歳が活躍の限界だけど、ビジネスの世界では50歳、60歳を超えても活躍できる」と野球以上に息の長い未来を期待している。

「今はすべてが勉強。一日も早く会社の挑戦の力になりたい」と谷田さんは話す。野球というスポーツを通じ、プロを目指して努力し、培った能力、経験をビジネスに還元。会社員という枠に捉われず、プロのビジネスマンとして大成する。大きな希望と使命を宿した戦いは、幕を開けたばかりだ。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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