一度はプロを諦めた24歳女子が“あしながおじさん”に救われた話 ゴルフ難関突破の裏に「続けなさい」の言葉
契約オファー続出も…あしながおじさんは見返り求めず「欲しいものない」
もともと人気のあった青木だが、YouTubeで笑顔がたちまち話題になり、ゴルフファンからさらに認知される存在に。合格後は多くのマネジメント契約、スポンサー契約のオファーが届いた。
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「マネジメントは『ゴルフサバイバル』(BS日テレ)や『女子ゴルフペアマッチ選手権』(BS朝日)に出た時にお世話になった方にお願いしました。スポンサー契約もその方と話し合いながら進めました」
だが、恩人の社長が経営する会社は契約リストには入っていない。見返りを求めるためのサポートではなかったからだ。青木には「僕は会社のPRとは関係なく応援してきたから」と告げたという。文字通り、現代の“あしながおじさん”だ。
「『何かお礼をさせてください』と言っても、『欲しいものはないから』とおっしゃって。今はゴルフをやめていた私の友人を応援しています(笑)。でも、社長の声掛けがなかったら、今の私はありません。これからもずっと、感謝し続けます」
テスト合格後のQT(ツアー予選会)は1次を通過できず、今季は下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場。同時にJLPGAティーチングプロ資格A級の取得も目指している。
「今年で3年目、カリキュラムでは最後の年です。今季の目標はステップ・アップ・ツアーで1勝、レギュラーツアーでは推薦出場でのトップ10入りですが、資格も取得してゴルフで生きていく地盤を築きたいです」
昨年、青木はマイナビネクストヒロインツアーのポイントランキング年間1位。他の試合での賞金、プロアマ大会などでの収入も含めると、約1500万円を稼いだという。JLPGAのツアープロは経費がかさむが、青木は支えてくれた全ての人々に感謝し、前に進んでいく。
■青木香奈子(あおき・かなこ)
2000年4月11日、宮崎市生まれ。宮崎日本大高卒。祖父の勧めで10歳からゴルフを始め、高校1年から本格的に練習。卒業後は地元フェニックスCCの研修生となり、24年2月、東京に転居。ドライバー飛距離は平均250ヤードで、心掛けていることは「笑顔でのプレー」。166センチ、55キロ。血液型O。
(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)