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10年勉強しても喋れない日本の英語教育 川島永嗣と「型破り」サッカースクールの挑戦

一般社団法人グローバルアスリートプロジェクト代表理事・田中隆祐氏【写真:荒川祐史】
一般社団法人グローバルアスリートプロジェクト代表理事・田中隆祐氏【写真:荒川祐史】

「楽しく、好きに、夢中にさせる。あとは勝手にうまくなる」

「英語を勉強している感覚はこの子たちに一切ない。でも、物凄い量の英語のシャワーを浴びているので、気づいたら理解している。理解しないと動けないから。凄いと思うのは大人でも答えられないだろうと思う質問によどみなく反応したり。性格も驚くくらいに変わる。他のサッカースクールと違うのは子供側が話す量が多いこと。普通のサッカースクールで話すのは指導者ばかり。うちは子供側が言葉を発しないとプレーを進めない。そういうところから積極性は身に付いていく」

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 開校から4年で関東で20校。生徒は500人を超えるまでに成長した。こうした評判を聞きつけ、無料体験を希望する子供と保護者が絶えない。「サッカーだけをやれるスクールはごまんとある。だから、ここではサッカーやらせたいお父さん、英語を習わせたいお母さんの思いが合わさって来ることがある」と明かす。まだ開校から4年。反響が広がっていく異端の英語スクールは、どんなゴールを描き、今後展開していくのか。

「究極は“スポーツインターナショナルスクール”になっていくこと。そして、この子たちが10、20年後に大学を卒業してコーチで帰ってきてほしい。サッカー選手になって活躍するよりも高校、大学で留学してアップル本社に入社したとか、グローバルな人間が生まれてくれるとうれしい。僕自身も英語で苦労したので、同じような苦労をしてほしくない。ここがきっかけで英語を使った仕事をしたり、グローバルに活躍したりしてくれたらうれしい」

 サッカースクールと英語教育に一石を投じる取り組みでもある。田中氏もサッカーと英語を通して“人を育てる”思いも熱い。

「川島は語学の天才でしょ、他の人とは違うからと思われるけど、彼は親も日本人で公立中学高校出身。学生時代に留学経験もないし、帰国子女でもない。自分の努力次第で7か国語くらい喋れる。逆に彼がやったのは毎日休まずに語学の勉強を10年続けるという行動。大抵の人はできないけど、彼はできる。努力を努力と思わないで継続できる能力を持っている。何かスペシャルなことをしたかというとそう思わないけど、凡人からしたらスペシャルなことやっている。

 サッカーも英語も継続すれば最低限のレベルまで行く。普通のサッカースクールは巧い子ばかりに指導の対象も偏ってしまうもの。でも、この場所には巧い子はいらない。この年代、技術指導なんてどうだっていいよねと思っている。それより楽しくやることが大事。英語の勉強は続かない仕組みだから、うまくならないけど、続ければうまくなる。まずは楽しく、好きにさせる、夢中にさせる。あとは勝手にうまくなるよね、と思っているので」

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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