「僕のこと、年寄りやと言ってるんですか?」 笑い飛ばす37歳・織田信成が「ギリギリ」の今見せたい背中【全日本フィギュア】
「僕のことを年寄りやと言ってるんですか?」 フィギュアで表現したい姿
競技の世界では大ベテランといっていい年齢になった。中学生になった息子と同世代の選手もいるが、「僕のこと、年寄りやと言ってるんですか?」と笑い飛ばす。10代で全盛期を迎える選手も少なくない世界で、見せたい背中がある。
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「若い子に言いたいのは『37って思ったより体キツイぞ』って(笑)。無理がきいたりする体ではないんですけど、その中でもできるんだぞっていうのは見せたい。
体が軽かったり、若いうちの方ができることがいっぱいあるスポーツだと思う。でも、フィギュアスケートは技術だけじゃなくて芸術のスポーツ。引退してからもアイスショーで培ってきたお客さんに喜んでもらう力、見せる力をアピールしたい」
地元・大阪で迎える最後の全日本。SPは「国民的盛り上げソング」と表現するマツケンサンバ2を演じる。会場には「ほとんど見に来ない」という家族も駆けつける予定だ。
涙もろい織田の涙腺が崩壊したのは、この日の出発前の出来事を振り返った時。自宅で長男が「試合、頑張ってな」と初めて言ってくれた。取材に応じていたミックスゾーンで堪えきれず、ティッシュで目元をぬぐった。
本番前に泣くつもりなんかなかった。しゃがみ込み「ちょっと待って、なんで泣いてるん」と思わず自分にツッコミを入れる。「日頃何しているか全然知らないと思うので、こういうことをしているんだよってしっかり家族にも伝えたい」と誓う。
目標の一つが、フリーを最終組で迎えること。「笑顔で終わりたい。ジャンプが決まろうが決まらなかろうが、結果がどうであれ最高の笑顔で終われる大会にしたい」。まずはSP。ノリノリのマツケンサンバを完遂し、RACTABドームを360度の笑顔で包みたい。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)