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侍初選出、26歳捕手が抑え切った“極限状況” キューバ相手に陥った疑心暗鬼「気性が荒かったり…」

野球の国際大会に、プロ選手が出場するようになって約四半世紀が経つ。未知の野球との遭遇は、選手の成長を生むきっかけとなることも。11月に行われた「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」で新たな経験をしたのが、ロッテの佐藤都志也捕手だ。大会中、先発マスクをかぶったのは1試合だけ。そこで1点リードの9回2死満塁という極限状況を抑え切った裏側を聞いた。

佐藤都志也【写真:羽鳥慶太】
佐藤都志也【写真:羽鳥慶太】

ロッテ佐藤都志也、プレミア12で1度だけ被った先発マスク

 野球の国際大会に、プロ選手が出場するようになって約四半世紀が経つ。未知の野球との遭遇は、選手の成長を生むきっかけとなることも。11月に行われた「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」で新たな経験をしたのが、ロッテの佐藤都志也捕手だ。大会中、先発マスクをかぶったのは1試合だけ。そこで1点リードの9回2死満塁という極限状況を抑え切った裏側を聞いた。

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 日本はこの大会、坂倉将吾捕手(広島)を主戦に据えて戦った。強打も魅力の佐藤は打率.455を残し、一塁手として起用されることも。ただ、唯一先発マスクを被ったキューバとのオープニングラウンド(11月17日、台北・天母)で最終回、とてつもない緊張を強いられる場面が訪れた。

 7-6と1点リードした9回、マウンドには5番手の藤平尚真投手(楽天)が立った。1死から連打を浴びて走者をため、「6番・遊撃」のアルエバルエナには初球のフォークが死球となり満塁とされた。

「タイムを取って『何が一番いける変化球?』って聞いたときに『フォークです』って自信満々に言われたんです。それがデッドボール当ててたので『大丈夫かな?』と思ったんですけど……」と試合後は苦笑い。一方で「その言葉を信じたというか、行けるところをずっと探していたんです」。呼吸を合わせる時間は短かったが、確かな信頼があった。

 続く打者は、大リーグのホワイトソックスなどで通算93発のヨアン・モンカダ。直球ごり押しで三振に仕留めたが、8番のアンディ・コスメにはその直球を見切られカウント2-2。ここで、暴投のリスクがありながらも要求したフォークが低めに決まり空振り三振を奪うと、捕手の佐藤のほうが腕を突き上げるド派手なガッツポーズを見せた。

 プロ5年目、26歳の佐藤が代表に選ばれるのは、東洋大4年時の大学代表以来だ。日本の捕手は打者のスタンスや様子をカギに、待っているボールを探りながら投手をリードしていく。ところが、普段対戦しているわけではない海外の選手を迎えると、自身の観察眼を信用できなくなる場面もあるのだという。

「日本人じゃないので、どういう表情しているかとか、違いますよね。けっこう気性が荒かったりという選手が多いんです」。待っている球種が来たのか来ないのか、表情に出れば読みやすくもあるが、新たな悩みもある。

「それを逆手に取るのか、そのまま行くのか。駆け引きがちょっと難しいというのはありましたね。楽しくやらせてもらいましたけど」

 佐藤は今季、パ・リーグのベストナイン捕手に初めて選ばれた。2017年以降、甲斐拓也(ソフトバンク)と森友哉(西武→オリックス)の2人に抑えられていた牙城に風穴を開けた。日本代表での貴重な経験は、新たなシーズンにどんな変化をもたらすのか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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