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日本の職人技を絶賛「感覚がいいんだ」 野球チェコ代表を支えた「メイド・イン・ジャパン」の1本

出会ったばかりの日本製バットを試合で使用、快音を響かせたゼレンカ【写真:羽鳥慶太】
出会ったばかりの日本製バットを試合で使用、快音を響かせたゼレンカ【写真:羽鳥慶太】

日本国内の製造業が「弱くなっています」職人技復権をかけて

 同社は、木製バットを作って70年という専門メーカー。前身の製材店としての歴史は江戸時代にまでさかのぼる。相手先ブランドのOEMではなく、自社ブランドの展開を目指す中で目を付けたのが国際大会だった。昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ベネズエラとチェコにノックバットを提供。国旗のカラーで奇麗にペイントされており話題となった。

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 巨人と育成契約を結んで話題となったマレク・フルプ外野手や、独立BCリーグの神奈川にも在籍したミラン・プロコップ内野手ら、日本と縁のあるチェコ代表選手が自腹で購入したケースも。将来的にチェコ代表をスポンサードするという話もあり、今回の提供が進んだという。

 同社の工場は愛知県豊川市にあり、日本製への徹底したこだわりが特徴だ。代表で、バットデザイナーの松本啓悟さんは「今は国内の製造業が弱くなっています。グローブやバットにしても、海外製造のものが増えている。その中で日本で作ることを大切にしています」と“こだわり”を明かす。材質もメープルやバーチといった北米で主流の木材以外に、北海道大と協力して北海道に自生する「ダケカンバ」製バットの商品化を目指している。

 欧州の野球道具市場は米国メーカーが圧倒的。その中で同社は、松本さんが選手の要望にあわせて一本一本デザインし、手で削る“職人魂”で乗り込んでいこうとしている。選手たちも興味深そうに握り、振っていた日本製が、チェコ代表のスタンダードとなる日は来るか。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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