SNSで就活成功も「元々反対派でした」 ドラフト指名目指す30歳、海外移籍で変わった“付き合い方”
スポーツ選手とSNSの関係が議論を呼んで久しい。ネット上での誹謗中傷は、競技団体やチームが何度止めるように呼び掛けても収まる気配がない。一方では、選手が自ら世間に対し“発信”できるという便利な側面もある。SNSへの投稿がきっかけとなって、海外リーグへの移籍にも成功したことのある選手に、SNSと付き合う上での考え方を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)
メキシコ→2軍球団と移籍、平間凜太郎がSNSで発信する理由
スポーツ選手とSNSの関係が議論を呼んで久しい。ネット上での誹謗中傷は、競技団体やチームが何度止めるように呼び掛けても収まる気配がない。一方では、選手が自ら世間に対し“発信”できるという便利な側面もある。SNSへの投稿がきっかけとなって、海外リーグへの移籍にも成功したことのある選手に、SNSと付き合う上での考え方を聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部、羽鳥慶太)
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今季からプロ野球の2軍、ウエスタン・リーグに参戦している新球団「くふうハヤテ」で投げる平間凜太郎投手は、SNSを利用した“就活”に成功したことがある。昨秋、独立の四国アイランドリーグplusの高知を退団し、海外のウインターリーグでのプレーを目指した。代理人を介してもなかなかうまくいかない中で、自身が操る“魔球”の動画をインスタグラムに投稿してみたのだ。
平間の投げるカーブは、縦に大きく曲がり落ちる軌道が特徴。NPB投手の平均が2500回転と言われるところ、3000回転を軽く上回るという規格外のボールだ。強烈な変化を端的に示す動画に、反応はすぐに届いた。投稿翌日には、2022年にプレーしたことのあるメキシコの名門「メキシコシティ・レッドデビルズ」からダイレクトメールが寄せられ、3日後には移籍が決まった。ただ、平間は言う。
「僕は元々、SNSには反対派だったんです」
自分のあずかり知らぬところで批判され、時には直接刃が向けられるという負の側面は知っていた。それくらいなら手を出さないほうがいいと思っていた。その価値観が一変したのが、海外への移籍だったという。
2022年の春、平間は初めての海外となるメキシコへ移籍した。その際、所属していた高知の選手から「僕たちを見捨てるんですか」「平間さんが何をやっているか知りたい」という声が寄せられたのが、SNSを始めるきっかけとなった。「だから、最初はおどされて始めたようなもんです」と笑う。