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衝撃V2中谷潤人を作った米国合宿で目撃 汗だくヘロヘロ…15歳から続く「精神と肉体」の過酷修行

ボクシングのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦が14日、東京・有明アリーナで行われ、王者・中谷潤人(M.T)が同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)に6回2分59秒TKO勝ちした。プロ77戦でダウンすらない挑戦者に衝撃的なフィニッシュで2度目の防衛に成功。世界的評価を受ける次代の最強ボクサーがまたも期待に応えた。  中学卒業後の15歳から単身渡米を決断。世界の猛者が集まる過酷な環境で腕を磨いてきた。今回も8月末から1か月、米ロサンゼルスで約160回のスパーリング合宿を敢行。ランダムで決まる相手と拳を交え、ヘロヘロになるまで追い込む姿を「THE ANSWER」の記者が見た。戦績は26歳の中谷が29勝(22KO)、30歳のペッチが76勝(53KO)2敗。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

6回TKO勝ちを収め、歓声に応える中谷潤人【写真:中戸川知世】
6回TKO勝ちを収め、歓声に応える中谷潤人【写真:中戸川知世】

記者が米LA合宿で見た、世界の猛者と切磋琢磨する環境

 ボクシングのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)タイトルマッチ12回戦が14日、東京・有明アリーナで行われ、王者・中谷潤人(M.T)が同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)に6回2分59秒TKO勝ちした。プロ77戦でダウンすらない挑戦者に衝撃的なフィニッシュで2度目の防衛に成功。世界的評価を受ける次代の最強ボクサーがまたも期待に応えた。

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 中学卒業後の15歳から単身渡米を決断。世界の猛者が集まる過酷な環境で腕を磨いてきた。今回も8月末から1か月、米ロサンゼルスで約160回のスパーリング合宿を敢行。ランダムで決まる相手と拳を交え、ヘロヘロになるまで追い込む姿を「THE ANSWER」の記者が見た。戦績は26歳の中谷が29勝(22KO)、30歳のペッチが76勝(53KO)2敗。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 一瞬でラッシュを決め、破壊的ダウンを奪う。それを実現させる体力、技術、判断力。中谷は本場・米国の厳しいスパーで磨いてきた。しかも、15歳から。

 9月末、中谷は米ロサンゼルスのジムに現れた。午前9時過ぎ。「強い選手が集まってくるので刺激的です」。日本ではジムに所属する必要があるが、ここでは個別のチームで活動。トレーナーなどを連れ、その場でスパー相手を探す日もある。右、左などの条件が合えば対戦。相手がランダムに決まるため、「いろんなタイプの選手とできる」と中谷。あくまでみんなの練習場だ。

 10時には30人ほどの選手で活気が溢れていた。スパーはバチバチ、それ以外は和気あいあいとした選手も。個人の裁量に任されていた。

 中谷も挑戦者のペッチと同じサウスポーと10回、右構えと2回の計12回×3分。各回のインターバルは試合の半分となる30秒しかない。とにかく実戦の毎日だ。

「実戦慣れしている選手が多いので、どういう戦い方をすれば相手が嫌がるか、そういったことをより深く知っている選手が多い。戦うことに特化している選手。その辺りは日本と違う」

 日本なら当たり前にある3分を計るタイマーすらない。リング横にある緑、黄色、赤のランプが「ラウンド中」「残り30秒」「30秒のインターバル」を示すだけ。残り時間がわからない環境は、精神的に追い込まれる。

 名もなきハングリーな選手、世界ランカー、タイトル保持者が当たり前いる環境。中谷も激しく打ち合った。「いつも通りです」。世界戦より長い13回×3分の日も。試合期間が3か月なら100回前後に収まる選手が多いが、中谷は160回を重ねた。

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