なぜ、高橋大輔は今なお輝けるのか 「ボロボロだった」復帰から取り戻した“質”
今夜フリーで世界選手権切符へ「この場所に留まっていたいなと」
だから、現役復帰の高橋がもたらす大きな刺激は、日本男子のさらなる活性化にとっては必要不可欠になるはずだ。心優しき高橋には国内の大会に留まらず、チャンスをつかみ取れるならば遠慮なく世界の舞台にどんどん出て、その見る者を引きつけるレベルアップした演技を多くの国内外ファンに見せてもらいたい。高橋本人も手応えを感じているのか、こんな本音も口にしていた。
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「この先、どうしていくか分からない。今季は全日本選手権最終グループを目標に復帰して頑張ってきたから。とにかく、(24日の)フリーは思い切ってできる全力をぶつけて演技ができればいいかなと思います。
この(競技として戦う緊張感のある)場所は居心地がいいし、一番しっくり来ると感じました。試合を終えても、この場所に留まっていたいなという気持ちは強まっています」
SP2位で6年ぶりの表彰台も大きな失敗がなければ立つ可能性は高い。もし、久しぶりの全日本メダルを手にすれば、4年前に実現できずに終わった地元開催(4年前もさいたまスーパーアリーナが会場)の世界選手権代表になれるチャンスが出てくる。もしかしたら、それが高橋の本当の、最大の目標と言えるかもしれない。できれば、その姿をぜひ見たいものだ。
(辛 仁夏 / Synn Yinha)