NPB復帰ゼロでも…“2軍球団”が開いた新たな移籍ルート 今後注目、ベテランも若手も「需要は増えてくる」
かつてのドラ1が求められて台湾へ…アジアから日本人選手への熱視線
きっかけとなったのは、四国アイランドリーグの徳島に所属している白川恵翔投手が、韓国プロ野球のSSGランダーズと6月に契約し、初登板で初勝利を挙げるなど先発として活躍したことだった。程なく、オイシックスにもアジアの球団から選手を獲得できないかという打診が入り始めた。橋上監督はこの現象を、起こるべくして起きたと見ている。
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「アジアのプロ野球は、外国人選手の獲得でNPBと争うことになるわけです。そこでメキシコとか、日本でもNPB以外のリーグに目を向け始めている。行く選手にしてみても、アジアなら生活習慣がそれほど変わらないし、適応へのハードルは下がる。これから需要は増えてくるんじゃないかと思いますよ」
今回は吉田という経験豊富な選手が選ばれたが、ドラフト指名を目指す若い選手にも海外から声がかかる可能性はある。もし選手が海外の生活に不都合を感じないのであれば、チームにも好影響しかないという。
「日本の選手、特に投手のレベルの高さは、去年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも世界に知れ渡っているわけです。先方も日本の試合中継を見ていますし、道が広がるというのは選手のためにはいいこと。給料だけで言ってもここよりはいいはずですし、いわゆる“助っ人”で行くわけですから、インセンティブもある」
今回実現したのは台湾への移籍だったが、韓国プロ野球の球団からも選手獲得の打診があったという。NPBの2軍で残した数字は、アジアの球団にとっては絶好の判断材料となる。かつてのドラフト1位が切り開いた新たな道に、続く選手は現れるか。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)