日本レスリングに「もう金メダルは無理」 ソ連崩壊で強豪分散…かつての「普通」を覆したパリ五輪
多くの競技にとって五輪は「普通」を変える最大にして唯一のチャンス
すべての競技にある「普通」は、大会ごとに変わる。
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長い間世界で勝てなかった卓球は、12年ロンドン大会の女子団体銅メダルを境に頂点を狙うようになった。バドミントンも12年の女子ダブルス「フジカキ」ペアの銀メダルからメダルが期待される競技になった。08年北京大会の太田雄貴からメダルが現実の目標となったフェンシングは、今大会で一気に花を開かせた。
日本人には無理と言われてきた飛び込みや近代五種のメダルも、その競技のステージが上がるきっかけになるかもしれない。約700人の飛び込みや50人の近代五種の競技人口が、増えるかもしれない。
多くの競技にとって、五輪は「普通」を変えるための最大にして唯一のチャンス。今大会メダルに一喜一憂するだけではなく、その経験を強化・普及にどう生かすか。次のチャンスは4年後、ロサンゼルス大会まで回ってこないのだから。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)