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五輪から消えた空手「やっぱり出たかった、パリに」 最初で最後かも…覚悟して掴んだメダルと競技の未来

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

都市対抗野球でダイヤモンドサポーターを務めた清水希容さん、今も五輪に対する思いは消えない【写真:羽鳥慶太】
都市対抗野球でダイヤモンドサポーターを務めた清水希容さん、今も五輪に対する思いは消えない【写真:羽鳥慶太】

「シン・オリンピックのミカタ」#89 東京五輪から消えた競技の今・空手

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 五輪で行われる競技は、大会ごとに入れ替わる。今大会はブレイキンが新たに加わる一方で、2021年東京大会で行われた野球・ソフトボール、空手が外れた。いずれも日本にゆかりが深い種目だ。コロナ禍の中行われた大会で、それぞれの種目にはどんな“五輪効果”があったのか。そして実施競技を外れたデメリットは――。空手女子形で銀メダルを獲得した清水希容さんは「やっぱり出たかった。パリに」と、今も抱え続ける思いを吐露する。さらに競技の未来への思いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太)

 ◇ ◇ ◇

 清水さんは今年5月をもって競技生活から退き、現在はミキハウスに所属したまま、テレビのニュース番組にも出演するなど今後の活動を模索している。そしてパリ五輪の開幕を間近に控えた7月21日、その姿は東京ドームにあった。

 ミキハウスの野球部が、社会人野球の頂点を争う都市対抗野球に出場。道着姿で始球式を務めたのち、ユニホームをまとってベンチ入りし「ダイヤモンドサポーター」として、仲間に声援を送ったのだ。空手という個人種目で世界の頂点を争った清水さんに、仲間とプッシュし合いながらチームの勝利を目指す野球は新鮮に映るようだ。

「私はふだん、チームで応援してやっていくという空気感で試合をしていないので……。“孤独”ってよく言われるんですけど、一人で黙々と稽古をするんです。なのでここというときのメンバーの声であるとか、みんなでつなげていく気持ちっていいなあと。普段の練習の雰囲気も試合ににじみ出ますよね。いいチームだなあと思って見ていました」

 清水さんは9歳から空手を始め、競技歴21年。取り組んできた「形」は、仮想敵に対する攻撃技と防御技を一連の流れとして組み合わせた演武で、ひたすら己の技を磨きあげる種目だ。そしてこの種目で、世界空手道選手権大会を2014、2016年と連覇。 全日本空手道選手権大会では2013年から2019年まで実に7連覇した第一人者だ。

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