古賀紗理那が右手に込めたスパイカーの責任 現役最終戦が近い今、号泣した背中を囲んだ信頼の輪

泣き崩れた古賀の周りに…
特に1学年上で同じNECの小島満菜美に背中を預けた。チームをまとめつつ、練習やミーティングの先導など時には先輩にパス。「あとはやって! キャプテンみたいなやつ!(笑)」。愛嬌満点の笑顔でお願い。役割を分散させてもらった。
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「そういう人がいてくれて心の余裕ができた。私のプレーにフォーカスできている。私の話も聞いてくれるし、私の良かったところも言ってくれる」
安心感をもらった。だから、責任を持ってスパイクを打った。得点した瞬間に思う。「今、ほんとに人に助けられてるな」。自分だけに集中するわけではない。ミスした若手が下を向けば、「悲劇のヒロインモードになってるよ」と前を向かせた。
眞鍋政義監督は言う。「エースとして古賀の負担を減らそうとした。そうは言いつつ、役割は人を成長させますね。一年、一年、キャプテンとしてチームをまとめてくれた。古賀のチームです」。主将の成長なくして日本の五輪出場はない。泣き崩れる背番号3の周りにできた輪が、仲間の信頼度を表していた。
各組上位2か国と3位で成績上位2か国が決勝トーナメントに進出。日本は組3位が確定した。4日にフランスが米国にストレート勝ちすれば生き残る。
「もう一度、気持ちを入れて戦っていきたい」
銅メダルだった2012年ロンドン五輪以来のメダルへ。まだ現役最後戦は先にある。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)
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